AKBの成長にファンが入り込む仕組みについて、宇野常寛が次のように言っている。
秋元さんは、半分しかシナリオを書かないわけですよね。自ら作る半分は徹底的に
作り込んで、残りの半分はガチンコのファンやメンバーの自主的な活動に任せる。だから、ガチンコなのに文脈的にも面白い空間ができるんだと思います。そこが神がかり的なところで。
そういった「参加している感」が総選挙や握手会のような仕組みでうまく吸収されるというところが面白い。しかし、握手会なんてほかでもやっているのにAKBで一層盛り上がっている。
それについては、
したがってAKBのシステムは、むしろ実存と実存のぶつかり合いを活性化させる方向に動いてる。システムと実存がここでは対立してはいない。むしろ結託して いるとシステムがうまくできているということに理由があると分析している。
後半、小林よしのりが宇野常寛の資本主義に対する信頼が深いと感心していた。結局、それをどの程度信頼するかでAKBの未来を信じるかどうかに差があるのかな。
AKBを切り口に政治や文学を語ったりしているのが、いかにもファントークにありそうで読んでいて楽しい本だった。