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2008/08/31

[インターネット] アマゾン・マーケットプレイスの基本知識

このところ、数冊の本をアマゾンのマーケットプレイスで購入した。また自分でも2,3冊の不要な本を売った。その経験を簡単にまとめておく。荻上チキがblogでも書いていたように、マーケットプレイスでの販売の場合には配送料が固定されている。配送料を安く抑えることができれば自分の利益を増やすことができる。逆に、ゆうメールや宅急便で発送すると配送料をオーバーするため持ち出しとなる。

アマゾン・マーケットプレイスで個人が(プロマーチャントではない)本を国内に売ったときのアマゾンが取る手数料は以下の通り。

  1. ¥100の成約料と販売価格の15%
  2. 配送料(340円固定)から80円
実際に配送料として使えるのは260円(販売価格から持ち出さない場合)になるので、メール便以外に簡単な方法がないのではないだろうか。ただしメール便は厚さ2cmまでのものという制限があるため、厚さのある本の場合は持ち出しを計算した上で販売価格にそれを上乗せしておく必要がある。大半の出品者はそういった対応をしているだろう。

注)プロマーチャント登録という月額4900円のアカウントがあり、その場合には成約料の100円を免除される。これは大口出品者に対する制度のようだ。

何冊が買ってみたものに関して言うと、出品者によっては、内容をよく確認せずに外見のみから「良品」として出品していた、と思われるものがあった。仕事で必要な本だったため、返品などはしていないが、状況が許せば出品者に返品・返金を要求するところだった。このような出品者の場合、評価の過去のレーティングに「低い」が含まれている。こういった出品者は避けておくべきだろう。筆者は業者の評価について98%以上を一応の閾値としている。

発送の梱包について

筆者の経験から言うと、必ずしもプチプチ(クッション材)を使用する必要はないようだ。このところの数冊からの経験でしかないが、封筒を2重、3重にすることによりちょっとしたキズは防ぐことができるようだ。受け取った書籍に傷のあったものはなかった。また、メール便の場合の厚さの制限(2cm)を考えるとクッション材はかなり不利になる。

一般のインターネット書店の梱包もちょっと厚めのボール紙封筒の中にビニール包装した書籍がはいっているようなパターンが多くなっている。これらの業者もメール便を使うところを見るとメール便の荷物の扱いはそれほど荒くはないと言えるのではないだろうか。

2008/08/30

皆川 正夫「ぼけない!」認知症にならない生活

認知症(正式に医学的な症状の名前ではないそうだ)になるのを防げるとしたら、多くの人は少しの犠牲は我慢するのではないだろうか。ただし、それが効果があるかどうかは30年以上経過してみないとわからないとなれば、どこまでやるかは少々微妙かもしれない。

本書は、現在(2008年)に、判明している医学的な知見を紹介、開発中・検討中の治療法についても取材している。疫学的調査として有名な「ナン・スタディー」に関しては何度も触れており、そこから読み取れる事実についてページを割いている。研究は進歩しているがワクチンなど決定的な治療法が実用になるのは10年のオーダーで時間がかかるとのこと。

予防に関しては、常識的な線であると言っていい。適度な運動、相手のある活動、食生活、睡眠など。サプリメントについても触れており、同じ名称(たとえば、「イチョウ葉エキス」)でも医療用に用いられる欧州と日本のサプリメントでは精製方法がことなるため、同じ効果があるかどうかはわからない点なども割り引かずに明確にしている。

現実的な費用で治療が受けられる10年後(20年後?)までは、今から、運動や食生活、友達とのおしゃべりなどの活動、サプリメント、睡眠で予防しながら待つ、というのが今の時点での普通の市民の選択のようだ。

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皆川 正夫

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2008/08/28

[NASCAR] 2008 第23戦 ブルックリン

G+でTV観戦。
ミシガン州ブルックリン ミシガンインターナショナルスピードウェイ
観客は約14万人。

ポールポジションはブライアン・ビッカーズ(Bryan Vickers)

2マイルの高速コース。ターンのバンクが18度(「深いわけでも浅いわけでもない」解説の福山英朗氏)。ピットウィンドウは35周から40周。

NASCARの運営コストが、今、高騰していて25億円から30億円(福山氏)なので1社スポンサーでは賄いきれないケースが多い。そのため、シーズン中にサブスポンサーがメインスポンサーとなり、マシンカラーが変わる。エリオット・サドラー(Elliot Sadler)は今レースはstanley。

オーストラリア出身のマルコス・アンブローズ(Marcos Ambrose)がエンジンブローを起こしてイエローフラッグ。

デイル・アーンハート ジュニア(Dale Earnhardt Jr.)の車のフロントグリルにビニール袋がはりつき、水温が上昇するというシーンで、ジュニアは落ち着いて後ろのブライアン・ビッカーズ(Bryan Vickers)を前に出すとともに、その後に付けて気圧がマイナスになるのを利用して袋を吹き飛ばした。TVでも気流を表示して解説してくれたのでわかったが、これをサーキットで見ている人には、ジュニアが遅れていったように見えたんじゃないか?

カール・エドワーズ(Carl Edwards)が中盤にトップへ。前半はぶっちぎりのトップだったジュニアは、ピットイン後マシンのバランスを崩したのかずるずると後退。

ジミー・ジョンソン(Jimmie Johnson)ジェフ・ゴードン(Jeff Gordon)がチーム同士で接触し、両方ともタイヤをいためてピットイン。ジェフ・ゴードンはタイヤブローで自分が原因のイエローフラッグ。「今シーズン、ヘンドリックモーターズの車があまり調子がよくない。それをカバーするためにドライバーが無理をしている」(福山氏)

カール・エドワーズを追うのがカイル・ブッシュ(Kyle Busch)。この2台は今シーズンの大半を勝っている。ピットに入るまではカール・エドワーズのリードが大きかったが、ピットアウトした直後にカイル・ブッシュがかわした。カイル・ブッシュはタイヤ交換で車の状態がよくなったようだ。一方、カール・エドワーズは車がグリップが足りない様子。

チェイスや次期シーズンを考えてどのドライバーも頑張って成績を上げなければならない状態。チェイスの資格の12位までに入れるかどうかの当落線上のことを英語で" on the bubble"というらしい。
ケイシー・ケイン(Kasey Kahne)がリタイヤした後のインタビューで「on the bubbleだけどどうですか?」なんて聞かれてかわいそうだ。

ピットウィンドウを計ったように165周でイエローフラッグ。燃料的にはここが最後のピットになるはず。しかし、ここでビッカーズは2タイヤの作戦。これは、「タイヤが持たないのでもう一度ピットに入るタイミングがあるはず。そこで4タイヤに変えればいい」という読みのようだ。

なんと残り22周でイエローフラッグが出た。ここで、ジュニアはステイアウトしたが、これが裏目に。リスタート失敗でいきなり壁に当たってしまいピットイン。このところ、ジュニアはピット戦略が必ず失敗して順位を落としている。このあとにもう2度イエローフラッグ(2度目は残り2周)が発生したことで、カール・エドワーズと2位カイル・ブッシュの差がなかなか開かない。しかし、リスタートをうまくタイミングをずらして、カール・エドワーズが1位、カイル・ブッシュが2位フィニッシュ。

2008/08/26

石田修大「急ぎの仕事は忙しいヤツに頼め」 ソニー元副社長・大曾根幸三の成功金言53

いわゆる「大曾根語録」から抜き出して書いたもの。最近の「ビジネス書」は手法を提案しているものが多いのに対して、本書は実際にある状況の中でしゃべった言葉なので、一見すると八方破れな感じがする。

たとえば、「小心者ほど言い訳がうまい」のところで、典型的な言い訳を集めた言い訳集を作り、番号を振った上で、会議では「時間の無駄だ。番号で言え」と言ったそうだ。

「1メートル20センチより高いものは職場に置くな」なんていうのは、最近のオフィスの流行りとはちょっと異なっているのかも?というようなところもある。これは、大曾根氏が職場の様子を見るために席を離れることが多いのでどこにいてもすぐにわかるようにしたため、だったのだが、ロッカーなども壁に寄せて見通せるようにし、会議室をガラス張りにした、とか。

一方でビジネス現場で当然の話として赤字事業の査定の高いものを全員仕事から外すなどの人事の話も語られている。今、こういった赤字の責任を取らせることをちゃんと語っている「ビジネス書」は最近は流行らない。

外部の視点ではなく当事者感覚が短いフレーズに凝縮されているが、昔話というわけではない。iPodがインタビューに登場する(「新しい技術は次の新技術によって置き換わる」)など単なる昔話になっていないところが読んでいて面白い。

そういった「金言」が53個、大曾根氏へのインタビューによる説明とともに構成されている。

2008/08/25

[SBK] 第10戦 ブランズハッチ

ワールドスーパーバイク(SBK)第10戦 イギリス ブランズハッチ(Brands hatch)
かなりうねりのあるコースで慣れていないライダーは攻めきれないコース。今回はカルロス・チェカが初めて走るコースでグリッドはやや後方に沈んでいる。

RACE 1

シュメルツ選手が4番手。カメラに映ることがあまりなかった選手。解説の八代俊二氏「いろんなライダーの特徴を合わせたようなライダー」

中冨伸一選手 左手首骨折で欠場。

日本人選手のスタート順位は
加賀山就臣選手 9番手
芳賀紀行選手 2番手
清成龍一選手 3番手
青山周平選手23番手
玉田誠選手24番手

清成選手はなぜか大抵のレースでスタートが悪く遅れ、順位を上げてきた加賀山選手と前後で7位。RIZULA SUZUKIにワイルドカードで参戦したトム・サイクス選手(渡辺篤選手の同僚)が前半から飛ばしていて4位。清成選手の抜き方について、「これ見よがしに抜かない、というか、気がついたら来ている」(八代氏)。その抜き方で二人抜いて3位。芳賀選手が2位、と思ったら芳賀選手がスリップダウン。サイクスはマシントラブルで9周目ぐらいにリタイア。

清成選手はベイリスをコーナーでいったん抜くのだが、次の立ち上がりで抜き返される。これをやっているうちにマックス・ビアッジが追い付いてくる。残り4周でベイリスが一瞬スピードをゆるめたのを清成選手が抜いて、そのあとは3台が一団になって優勝争いしつつ、そのままの順位でフィニッシュ。
清成選手が初優勝。清成選手は前週の鈴鹿8耐でも勝っているのでそれもいれると2連勝。

加賀山選手 4位
玉田選手 18位
芳賀選手 19位
青山選手 リタイア

RACE 2

日本人選手のスタート順位は
加賀山就臣選手 9番手
芳賀紀行選手 2番手
清成龍一選手 3番手
青山周平選手23番手
玉田誠選手24番手

加賀山選手がトム・サイクスと接触して転倒。第1レースで4位で調子がよさそうだっただけに残念。マックス・ビアッジもハイサイドで転倒しそうになりコースアウトし、最後尾に復帰。

上位陣はわりと順当にスタートし、清成選手は4位で、ベイリス、芳賀選手、トロイ・コーサーと一緒に先頭集団にいる。まず、清成選手がコーサーをパスして3位、6周目には芳賀選手、清成選手がベイリスをかわして1、2位、後がベイリス、コーサーの順。

8周目に一度清成選手が芳賀選手を抜くが、マシンがふらついたところで芳賀選手が抜き返す。それをまた清成選手が抜き返す。ずっと接近したバトルを続けているが3位以降との差は縮まってこない。

一方、4位争いは、トム・サイクスとマックス・ノイキルヒナーがかなり接近して並びかけながらの勝負。ノイキルヒナーはサイクスをパスできるが、そのあとのサイクスは7位集団のファブリツィオ、ニエト、チェカの集団でバトルになる。TV映像はこっちの集団をメインにしてしまったため、最終ラップまで先頭が映らず。映った時には清成選手と芳賀選手の差は大きくあいていた。
清成選手が連勝、芳賀選手が2位、コーサーが3位。清成選手はダブルウィン!
ベイリスがなぜか11位まで下がった。

加賀山選手 25位
玉田選手 18位
青山選手 22位

2008/08/24

[MotoGP]  第12戦 チェコ

G+でTV観戦。

MotoGP 第12戦 チェコ ブルノ(Brno)サーキット
夏休み明けの初戦。舗装がやり直されているのでこれまでのタイヤデータが使えない。
観客数が14万人以上。TVで見ると芝生にシートを敷いて座っている人たちが多い。コース周囲全部が芝生で座れる状態になっている。

125cc

ポールはガボール・タルマクシ。タルマクシはハンガリー出身なのでこのサーキットに比較的近く応援が多い。
日本人選手は
小山知良 14番グリッド
中上貴晶 21番グリッド


解説の坂田和人氏によればこのサーキットはパッシングポイントが多く、下りコーナーが多い。坂田氏は3年連続でこのサーキットで優勝している。

スタートした最初の周回の第2コーナーで、中上選手、小山選手がまきこまれる多重クラッシュがあり、日本人は早々にレースを終了。

小山のコメント「ダニー・ウェッブが信じられない速度で突っ込んできた」

ステファン・ブラドル、タルマクシ、ニコラス・テロルが先頭3台。やや縦長になった状態でマイク・ディメリオも付いている。残り10周あたりでホアン・オリベが上がってきた。オリベは抜いた後にバイクを寄せて威嚇するなどちょっと危険な感じ。坂田氏「オリベ選手に荒らされてこの(ブラドルと後続の)差がついてしまったという感じ」。
2位以下がオリベを軸に抜き差しをしている間にブラドルが徐々に抜け出していく。
残り4周あたりでディメリオが追走するが届かず、ブラドルがイェンクナー以来のドイツ人優勝。
坂田氏「後ろから追いかけられてプレッシャーを受けながらひるむことなく走りハートが強いライダーという印象を受けた」
2位ディメリオ。
オリベは最終ラップでタルマクシを抜いて3位。
ブラッドリー・スミスがレース後すぐに、サーキット図に自分のメモをつけていた。坂田氏「こういうことをすぐにできるライダーは伸びますね。」

小山「新しいシリンダーが朝に焼きついて使えなかったりして、苦しい状況だが次戦では整うと思うので成績を残したい」
中上「あと6戦になったが再来週のミサノから勢いをつけていきたい」

250cc

解説が坂田和人氏。

ポールポジションがシモンチェリ。シモンチェリは夏休み前までの5戦ぐらいは非常に好調で6レース連続で表彰台。休みで調子が崩れていなければここでも上位に来る可能性がある。
日本人選手は
高橋裕紀 8番手
青山博一 16番手

カレル・アブラハムが地元出身ということでグリッド紹介でちゃんとアップで撮影されていた。サーキットの近くの出身。
グリッド紹介の時にカメラのホワイトバランスがばらついたのが気になった。

デビッド・クルサードがピットに来ていたのが映っていた。

 スタートからシモンチェリがトップに出る。後をトーマス・ルティ、アレックス・デボン、ミカ・カリオが続く。デボンは今シーズン初優勝してから調子がよくなったようだ。
ルティは4週目でゼブラゾーンからはみ出してしまって転倒。これでカリオは3位にアップ。カリオはこのところ成績がよくなくてシリーズ順位が2位に下がってしまっているので、このあたりで勝ちたいところだろう。高橋選手、青山選手は7,8位を走行。

アルバロ・バウティスタはスペインではペドロサを上回るほどの人気があるらしい。今シーズンはあまり運に恵まれていないようだ。10周前後では4位でカリオの後ろについている。

坂田氏「青山選手も言っていたことだが、カリオのブレーキングはすごい。250ccを125ccのように扱う。」

最終コーナーの2つ前ぐらいでデボンがシモンチェリをかわし、次のコーナーでバウティスタもシモンチェリをかわし、その順位でチェッカー。
青山選手は13位、高橋選手は最後にパッシーニをパスして6位。

青山「ギアボックスに問題が出てしまい、最後はゴールできないかと思った。最後まで走らせられたが、序盤がよかっただけにくやしい。」
高橋「スタート直後のオーバーランしてポジションを落としてしまって、そのあとは自分のペースだったが、トップグループには追いつけなかった。」

MotoGP

解説は辻本聡氏。

予選は雨でセッティングが進まなかった選手も多かったようだが、決勝はドライ。
事前の報道ではミシュランタイヤが非常に苦戦しているとのこと。

ピット風景のTVレポートでは北京オリンピックの射撃競技の金メダリストがメダルをもってサーキットに来ていた。チェコだとMotoGpはそのぐらいの大きなスポーツとして扱われているということだろうか。

ポールポジションはケーシー・ストーナー、パレンティノ・ロッシは2番グリッド。
雨の予選の影響なのか有力なライダーが10番グリッド以降にも多くいる。最後尾にはホルヘ・ロレンソ。

日本人選手は
中野真矢選手 8番グリッド

中野選手はこのレースからHRCのワークスマシンを使用できることになり、ピットでの本人の表情も明るい。

ニッキー・ヘイデンが8月1日のスーパーモタードで怪我をして出場できない。ダニ・ペドロサは手首と指を怪我している。これはドイツ戦での転倒の後遺症。というわけでレプソルホンダチームはかなり厳しい。

前回のラグナ・セカでストーナーがポールポジションから2位、ロッシは優勝だったが、レース後にストーナーがフェアじゃなかったと発言した。逆に考えるとアンフェアなレースでなければ勝てたということだろう。実際にいいタイムを出していてポールを取っているのだから。

スタートからストーナーが逃げる態勢で3周から4周目で2位ロッシとの差は1.2秒から1.3秒ぐらい。ロッシの後がかなり離れて集団になっている。
順調に周回を重ねているようにみえたのだが、6周目でストーナーが単独で転倒。フロントから滑ったように見えた。一旦コースにもどったがすぐにリタイヤした。今シーズンのストーナーのリタイヤは初めて。

このあとはロッシの一人旅。ロッシもストーナーと同じブリジストンタイヤなので同じように転倒リスクが高いのかも、と、解説の辻本聡氏。ロッシが優勝。2位にトニ・エリアス、3位にロリス・カピロッシ。この二人はシーズン初の表彰台。

中野選手はスタート直後に下がって11位あたりにいたが、徐々に前方の選手をパスして残り6周ではアンソニー・ウェストの後ろで5位走行。残り5周でアンソニー・ウェストもパスして4位。5位から4位の走行はTVにかなり映っていた。こんなに中野選手が映るのは久しぶりのこと。
 中野選手のバイクはカーブへの進入がスムーズになったのか、今まで抜けなかったカーブのところでウェストをパスできている。最終ラップではウェストに2秒以上の差を付けていた。

アナウンサー「中野復活と言っていいでしょうか?」
辻本氏「いやあ、まだまだでしょう。」
これからまだまだマシンのセッティングを詰める必要があるそうだ。ワークスマシンを手に入れた初戦で4位に入ったということはホンダに対して一応実績を上げたと言える。

今回はミシュランタイヤが絶不調でグリップしなかったということなので、本来上位に来るべきチームが沈んでいる。だから、中野選手の順位はそれを差し引いて考えなければならない。逆に、ミシュランタイヤをハンディキャップと考えた場合、ストーナーが転倒していなければブリジストン勢の5番手となるのだから、ミシュランがブリジストン同様のパフォーマンスを示していたならば、中野選手は8位、9位のあたりまで下がっていたとも考えられる。

中野「楽しめたレース。新しいバイクを与えてくれたホンダにも感謝している。今日の結果がチームもやる気が出ていると思うし自分も楽しみ」

ストーナーのリタイアで、シリーズチャンピオン争いでロッシが少しリードできた。ただし、ストーナー+デュカティの強さを考えると50ポイントの差は安全圏とまではいかない。

ブリジストンの山田マネージャーのインタビューで気になったことは、タイヤの性能差があるのでワンメイクにしたらどうかという議論が出ているという話。ワンメイクだとはじき出されたメーカーがレースへのスポンサーをやめてしまったりしないのだろうか。

2008/08/23

[WRC] 第9戦 フィンランド

JSPORTS で TV観戦。

夏休み明けのフィンランドラリー。
北欧系ではない優勝者はこれまで3人しかいないという、地元有利のラリー。

DAY1
フィンランドはコースがフラットなので最初から高速で走らなくてはならず、セバスチャン・ローブがリードしている。ヒルボネンは2位につけているが少し離されている。コースは上下するのでジャンプするところが多い。ジャンプしてすぐカーブというところもあるので、道を知っていることが非常に有利。
ローブが首位でDAY1を終了。

DAY2
スズキのPGアンダーソンの車が傾きながらジャンプして危うく転倒というシーンがあった。ディレクター中新井田氏「オーガナイザーがしっかりしているからこの部分には観客を入れていない。入れていたら轢かれている。」

ヘニング・ソルベルグが好調で3位。

DAY3
解説の福井敏雄氏によれば、昔(福井氏が現役のころ)はフィンランドのラリーはほとんどが雨で、運営も暗くなるころまでステージを走っていた、と。
ジジ・ガリが好調でSS12終了時に3位。だったのだが、ステアリングが不調になってしまい思ったように曲がらない。SS16のコーナーでコースアウトしてクラッシュ。車がひっくり返った。
同じコーナーでPGアンダーソンもコースアウト、木をなぎ倒す勢いでクラッシュしていた。

今年はフィンランド名物のオーニンポーヤのジャンプがなくなり、別のところにメジャーが置かれた。
アトキンソンが好調で総合3位に上昇。
ヒルボネンとローブは差がほぼ変わらないまま。この結果にローブは「これなら今日はゆっくり寝て明日勝負すればよかった。」

DAY4
SS22が最長で20kmなのでここにヒルボネンは逆転をかける。結果は同タイム。このラリーで3度目の同タイムになった。ローブとヒルボネンがトップタイムでSS22を終了。SUBARUのアトキンソンが元気でソルドに差を付けて3位を確実にしている一方でペター・ソルベルグは不調で上がってこれない。

3連続ジャンプのあるSS24では、フィンランドのTV局が生放送をしていたそうだ。

最終的な順位はローブ、ヒルボネン、アトキンソン、ソルド。
SUBARUのアトキンソン3位と、シトロエンのソルドの4位はいずれもチームのセカンドドライバーが上位に来たということでチームには収穫だろう。SUBARUは夏休みで改良した車がいい成績が上げたことでチームにも良い結果をもたらしたし、ソルドはフォードのラトバラより上位でゴールしたことでマニュファクチャラーズポイント争いに貢献できた。
今年から参戦のSUZUKIは8位にトニ・ガルデマイスターが入った。

福井氏も中新井田氏も、ローブの技術とメンタルコントロールを称賛していた。かなりフィンランド人が有利なラリーでローブがリードするのはフィンランド人のヒルボネンよりもパワーを使うだろう。

番組の山岸舞彩さんを鍛えるクイズは、前半で福井邸のお食事券をGETし、後半では食事内容が星の数で変わることになった。今回のクイズは難しくて星1つ。

2008/08/21

[カヌー カヤック スラローム] 2008オリンピック カヤックシングル スラローム 竹下選手4位

以前のエントリーでオリンピックの日本カヌーチームの応援のためにTシャツを購入したと書いた。実はカヌー競技がどういう状況かはわかっていなかったのだが、2008年8月15日女子カヤックシングル スラロームで、竹下百合子選手が4位入賞したことを知った。Tシャツ販売で得られた資金で試合でのパドリングジャケットを購入する予定とのことだったが実際に購入できるまでの資金は集まったのだろうか。

知ったのが翌日の朝刊を読んでからだったのでTVでも放映されず映像は見ないままだった。
今日、民放TV公式動画サイト を見たところ決勝の動画を見ることができた。

本日2008年8月21日には女子カヤックペア500メートルの北本忍、竹屋美紀子組が決勝進出したとのニュースが配信されていた。

競技にもよるのだろうが、資金的なサポートが薄いスポーツは続けること自体も大変なことだし、オリンピック出場に際しての必要な資金の手当てなどもかなりの負担となることだろう。

2008/08/19

[DTM] 第7戦 ニュルブリュクリンク

ドイツツーリングカーマスターズ 第7戦ニュルブリュクリンク(ニュルブルクリンクとどちらが原語に近い発音なのだろう)
JSPORTS ESPNでTV観戦。

ニュルブリュクリンクは山の中のコースで天気が変わりやすい。予選が雨で中断したので第1予選の成績でグリッドを決める。その結果、トム・クリステンセンがポールポジション。マイク・ロッケンフェラーが2位グリッド。

ティモ・シャイダーはここから70キロぐらいのところの出身なので親戚もたくさん来ているとか。

雨を予想したアウディがレインタイヤを選択、メルセデスはスリックを選択した。ところが、スタート時点では雨が上がっており、アウディのシャイダーなど数台はウォームアップラップでピットインしてドライに交換し、ピットスタート。アウディチームの気象予報士が予想をはずしたらしい。

ゲイリー・パフェ、ポール・ディレスタ、ベルント・シュナイダーが先頭3台。

今シーズンに短くなっているピット作業時間計測は今回クリステンセンが2.8秒。TVには肝心な作業場面が映っていない。「3秒を切るときはTVに映らない」と解説の佐藤正勝氏、中島アナ。

ディレスタのピット作業で時間がややかかり4秒台、しかも、出るときにロッケンフェラーと重なってピットロードに出るタイミングが遅れる。ここでシュナイダーが首位、ディレスタが2位と逆転。2回目のピット作業での逆転も無理でシュナイダーが首位キープ。

ところがレース途中からまた雨が強くなってくる。パフェ、エクストローム、シャイダーが接触を繰り返しながら抜き差しする。シャイダーの後部のパーツが大きくはずれてしまった。エクストロームとパフェには警告の黒白旗が出された。

路面はかなりグリップがなくなりスリックで走る車は不安定になってきた。残り6周でディレスタがギャンブルとも言えるタイヤ交換でウェットを装着。ここから追い上げる。このあと、ラルフ・シューマッハ、シャイダーなどもタイヤ交換して追い上げを図る。コース上は水煙が上がる状況。

先頭のシュナイダーはグリップしないままで先頭を走行。これに対してディレスタは7位から徐々に上げてくるが、周回が不足して1位には届かず。ベテランのシュナイダーが1位、ディレスタが2位、グリーンが3位、パフェは4位。シュナイダーが全く今シーズンはいいところがなかったのだが、ここで優勝。

ラルフ・シューマッハは8位で初ポイント。

ベルント・シュナイダー自身はインタビューで、自分は雨が激しくなると予測したが、エンジニアのアドバイスでスリックにした、と答えていた。

2008/08/17

[NASCAR] 2008 第21戦 ポコノ

ペンシルベニア州ポコノレースウェイ

三角形のおむすび型のコース。
フロントローはマーク・マーティン(Mark Martin)ジミー・ジョンソン(Jimmie Johnson)

タイヤの摩耗を見るために25周でコンペティションイエローが設定された。前戦のインディアナポリスがタイヤの摩耗がひどすぎてレースにならなかったのだが、ポコノはそれほどひどくはない。

最初の週にケビン・ハービック(Kevin Harvick)がスピンしてしまうというコーションがあったが、基本的にはポコノはあまりコーションが多くない。

前半はマーク・マーティンがトップに立ってかなりの間リードを維持。途中での2タイヤ交換などで、カール・エドワーズ(Carl Edwards)がトップに。逆にマーク・マーティンはタイヤ交換で時間がかかってしまい少し順位が下がった。右タイヤチェンジャーが2回ミスをしてクルー・チーフに注意される映像が流れた。解説の福山英朗氏によれば、「こういう場合、タイヤチェンジャーが別の人に変わったりする。タイヤチェンジャーはみんながやりたいと思う役なので、ミスをすると、別のレースに行ったり別の役割にいったりする。」
デイル・アーンハートJr(Dale Earnhardt Jr)はいまいち車が決まっていないのか、3位を走っていても2位との間がすごく空いていたりする。

中盤で雨が降ってきたので、一旦ピットに車を入れて中断。
この時点で残り70周ぐらいのところでピットで燃料を入れた車と、そのときにステイアウトでコースに残った車が半々ぐらい。ピットウィンドウが35周程度なので、残りのピット回数が1回と2回に分かれる。

このあたりから、このレースはピット戦略でいつ入るかによってレースが決まりそうな雰囲気になってきた。「コーションが出ないですねぇ。」と福山氏。先頭にいるケーシー・ケイン(Kasey Kahne)など燃料が早めになくなりそうな車は先に入らなければならなくなる。ケインなどと同じ燃料の条件のカート・ブッシュはピットインを遅らせ過ぎてガス欠になり万事休す。

最後の最後で、カール・エドワーズがトップでフィニッシュ、ジュニアはゴール直前でガス欠になり、4位から12位に転落。カイル・ブッシュはあと2周で燃料がたりなくなりピットに入りこちらも順位は下がった。

2008/08/14

中川恵一「がんのひみつ」

日本人の2人に1人はがんになり、3人に1人はがんで死ぬ。であるにもかかわらず、日本人はがんについての知識があまりにも乏しい、らしい。

がん細胞が検査でわかるレベルのがんになるまでには通常10年から20年かかる。
日本は世界一のがん大国になった。長寿と喫煙が主な理由。
また、胃がんなどの感染型のがんから乳がん、前立腺がんなど「欧米型」のがんが増えている。
などなど、知らないことばかりの本。専門家がしろうとに向けて書いているので知らないことがあるのは不思議ではないのだが、これだけの人ががんになっているにしては情報が少ない気がする。

次の12ヶ条を積極的に守ればがんの約60%(禁煙で30%、食生活で30%)が防げる、と本書にある内容を引用しておく。
  1. バランスよく栄養を
  2. 毎日、変化のある食生活を
  3. 食べ過ぎを避け、脂肪はひかえめに
  4. おいしいお酒をまあほどほどに
  5. タバコは吸わない
  6. ビタミンと繊維質のある食べ物を
  7. 塩分と熱いものはひかえめに
  8. 焦げた部分はひかえめに
  9. かびの生えたものには注意
  10. 日焼けはひかえめに
  11. 適度に運動を
  12. 体を清潔に
ただし、がんになるかどうかの根本は運(確率)である。

治療の三本柱は「手術・放射線治療・化学療法」である。が、ちょっと寒いのは放射線治療は欧米の半分以下で専門医は542名、化学療法を担当する腫瘍内科医は100人ほど、と、医者が余っているはずの国にしては異常に手薄。もっとも手薄なのはこの分野ばかりではないようだが。

医療訴訟についての記述はちょっと同意できないところもあるのだが、がんについて知らなかったことが多く読んでよかったと思う。その一方でこの状況では自分が満足に放射線治療を受ける可能性はかなり低いこともわかってしまった。

今後の国レベルのがん関連の施策は注意を払っておいた方がいいようだ。

2008/08/11

[DTM] 第6戦 ザンドフールト

JSPORTS ESPNでTV観戦。

ドイツツーリングカー選手権(DTM)第6戦 オランダ ザンドフールト(zandvoort)

今回の予選はアウディが上位独占。マティアス・エクストロームがポールポジション。ティモ・シャイダーが2位。
スタートからアウディが上位4位までに並んだ。
ピット作業が短いDTMなのだが、今回はシャイダーの1回目のピット作業が2.2秒。「どういうジャッキを使っているんだ?」と解説の佐藤正勝氏と中島アナ。2回目のピットの計時は全く時計が止まらず、シャイダーのときにはストップウォッチがおかしいのかも、という結論。

ポイント(8位入賞)を争って、ロッケンフェラー、ベルント・シュナイダー、 ビンケルホックの3台が戦っていた。ベテランのシュナイダーがロッケンフェラーに並んで軽く接触しながら粘っている脇を3台の一番後ろにいたビンケルホックがすり抜けて「漁夫の利」でポイントを獲得。
 ラルフ・シューマッハは最後尾スタートから上がって12位フィニッシュ。今シーズンの車ではここが限界なのかな。

エクストローム、シャイダー、トム・クリステンセン、トムツェックのアウディ4台がそのままゴールまで走り切った。メルセデスの上位は5位のスペングラー。エクストロームの勝利数が累計で12勝となり、史上最多勝の可能性が高くなってきたようだ。
シーズン序盤の再現でアウディがメルセデスを引き離したレースだった。

2008/08/09

藤原和博・川端裕人「バカ親、バカ教師にもほどがある」  子ども化する大人たち

世田谷区立和田中学校の元校長藤原和博氏と、作家で「みんなのPTAを探して」を婦人公論で連載していた川端裕人氏が聞き手の対談により、現在の学校での保護者、教師の問題を語った本。

第1章 バカ親の壁、第2章 バカ教師の壁、第3章 親と子の壁、あとがきにかえて
の4章からなる。最初の2章が対談、後半は藤原氏の文章。

川端氏が保護者であり聞き手である立場から、おそらく意識的に保護者の視点にバリエーションをつけて、校長である藤原氏の話を引き出そうとしており、それは成功している。

教師になって二年目の女性からの
教師になって二年目です。ほかの先生に劣らぬくらい一生懸命に学級運営をし、指導しているつもりです。でも、保護者からは頼りないと思われているようなのです。
先日、宿題のやり方を間違ってきた子がいたので注意すると、放課後、すぐに母親から電話があり、「先生のやり方じゃ心配なのよ!身につかないとたいへんだと思ったから、仕方なく私が教えているのに!」と言われてしまいました。お母さん仲間の間では「ハズレのクラス」とも言われているようです。
この相談に藤原氏は、自らの営業職体験を織り交ぜながら教師が「自分がいちばん勉強する」という姿勢を示すことだ、と答える。
仮に少々頼りなくても、一生懸命学ぼうとしている人なら、きっとお母さんたちも「この先生を育てていこう」と思ってくれるはずです。
これに対して、担任の先生のせいで学校に行きたくないといいだすようなケースは厄災では、と川端氏が話を振ったのを受けて、さらに、

もし、学年全体がほんとうに同じようなタイプの先生ばかりで、自分とぜんぜん合わないようなことがあれば、転校まで考えたほうがいいのかもしれません。しかし実際は、教師が五人くらいいれば、個性はばらけます。(中略)だから中学校では、担任がどうかということについて、生徒が受ける傷は小さい。しかしぼくは、学校生活のなかで、子どもが多少の傷を受けることは、あってもよいのではないかと思うのです。傷を受けることもない、試練もない環境では、子どもの成長は止まってしまうでしょう
実際の学校の現場でここまでのやりとりを校長もしくは他の教師とかわすことは通常の保護者にとってはかなりむずかしいことだ。逆にいえば、これだけの情報を事前に学校から保護者に向かって発信できていれば本書で取り上げられるケースはそもそも存在しないかもしれない。

ひとくくりに「モンスター」と呼ばれている保護者については、本当に無茶な要求をしているのは言われている数の四分の一程度であって、その他は「タイミング」と「コミュニケーション技術」の問題で、先生に余裕がなくて聞いてもらえなかったり、言い方がよくなかったので伝わっていないのではないか、と推測している。

第3章は短いが面白い。藤原氏が提唱する「納得解」、「情報編集力」などについての内容だ。
これからの成熟社会では「万人にとっての正解」を導き出すチカラではなく、個人が自分自身の価値観に照らして納得のいく「納得解」を導き出すチカラが重要となる。私はこれを情報処理力に対して「情報編集力」と呼んでいる。
人生においては、この「クレジット=信任の総量」のレベルを上げていくことが非常に大事だ。その原動力となる両輪が、「情報処理力」と「情報編集力」だと私は考えている。
そして、これら二つのチカラの「基礎」をなすのが、「集中力」と「バランス感覚」だ。この二つは、絶対に子どもに身につけておいてほしいチカラである。(中略)逆に、小・中学校で集中力を身につけられなかった子どもが、大きくなってからそれを身につけたという例を私は知らない。実際、私がこれまで出会った「できる」仕事人たちのなかに、「ビジネスを通して集中力を鍛えました」という人はいなかった。
「あとがきにかえて」では、藤原氏が和田中での施策のいくつかを例にあげながら、
  1. 学校支援のための地域本部の設立
  2. 校長の兼業の許可
  3. 専任のソーシャルワーカーの設置
により、「親はどこへ消えた」「教師はどこへ消えた」と端的に表現される問題を解決できる、と提言している。

対談の中では学校の問題の一つとして避けられないPTAの問題も取り上げられている。これについては「対談を終えて」で川端氏がまとめて書かれている。 PTAをオープンにし、学校協議会を「正常」に機能させるなどの提案は、現在のPTAにかかわっている川端氏ならでは。PTAの自由参加が当たり前となり、選択し責任を負うPTA会員が実現するのはまだ先かもしれないが、この1、2年でPTAの問題点は徐々に表に出てきているのではないかと思う。川端氏のPTAの連載の単行本化も待ち遠しい。
バカ親、バカ教師にもほどがある (PHP新書 515)
バカ親、バカ教師にもほどがある (PHP新書 515)藤原 和博・川端 裕人

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star現場はもっとドロドロしてひどいんだけれど
star社会人経験があり本当の大人が教職に就かないと学校現場は変わらない気がした。
star一般的には正しい!だけど。。。

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2008/08/08

荻上チキ『ネットいじめ  ウェブ社会と終わりなき「キャラ戦争」』

他校のPTA役員に聞くと、「裏サイトへのアクセスは危険です」というおてがみが配布されたり、学校に裏サイト監視用のPCが一台あるらしいという噂が流れたり、と、保護者にとっての裏サイトは「かなり危険」というイメージがある。

『学校裏サイト』=いじめの温床、がマスコミの報道やPTA・学校の現在の一般的な反応だ。著者はこれについてコメントを求められた経験を以下のように言う。
私も何度か、「裏サイトの実態」について新聞や雑誌の取材を受けたことがあるが、そのたびに「『闇』の側面ばかりを強調するのは『実態』に反する」という趣旨のコメントを行っている。しかしたいていの場合、記事として出来上がったものを見ると「闇」や「弊害」という特集内容に仕上がっており、なかには私があたかもネットユーザーとして「危険性」を強調していたり、取材の内容とはまったく反対の、一面的な記述にされていたりすることもあった。
著者は生徒たちが学校とは関係なく立てるサイトを「学校勝手サイト」と呼ぶことで「裏」につきまとう「闇」のイメージを切り離して議論を進める。この「学校勝手サイト」が「裏化」することがある、ということにすぎない、と。
あらためて確認すれば、学校勝手サイトとは基本的には「学校のことをテーマに話し合う児童・生徒・学生どうしのための掲示板機能つきサイト」だ。多くの場合、既存の学校コミュニティを活性化させるために、あるいは退屈な学校空間を乗りきるために利用するものであり、何年にもわたって継続的にアクセスをするものではない。
まず、統計情報を分析すると、学校勝手サイト利用者は全体の1か2割程度、継続的に利用する生徒は数パーセント程度であり、サイトは短期で閉鎖されたり過疎化、放置されることが多い。また、「学校勝手サイトがあれば必ず不快な書き込みが現れるわけではない」。学校勝手サイトにはパソコン利用者も多く、「学校裏サイト=ケータイ文化」とはいえない。このように一般に流通しているイメージと実態がずれている。

この中で本書の中心議題とは関連が薄いが、気になるのは「学校裏サイト」問題でのレポートを多く執筆し、ある意味では権威でもある群馬大学社会情報学部の下田博次教授の取材に見られる多くの事実誤認である。事実誤認自体も問題だがそれは下田教授のネットリテラシーの話としておいておくとして、著者も書いているように「それよりもさらに問題なのは、このような言説がまったくチェックされずに、「第一人者」や「専門家」として広まってしまっていることだ」。

「学校裏サイト」は疑似問題に過ぎず、本質的な問題はネットを通じて発生する様々な事故への対処と、その方法の継承である。

本書のタイトルになっている「ネットいじめ」(=ネットを利用したいじめ)がインターネットにより生じた新しいいじめであることは少なく、 「ネット上のいじめ的な書き込み」のすべてが「ネットいじめ」に発展することはない。書き込みを分類すると、ガス抜き型、陰口型、なだれ型、いじめ利用型に分けられ、いじめ利用型のみが「ネットいじめ」の定義に合致する。

また、いじめには中間集団(国歌と個人の間に存在する集団や組織のこと、学校、会社など)での全体主義がかかわっている。たとえば、学校勝手サイトでのトラブル的書き込みでは「スクールカースト」(学校内での上下関係)が強く影響する。つまりリアルな関係とウェブは無関係ではないため、いじめの関係を断つためには司法の導入もあり得るという学者の意見を著者は紹介している(ただし、著者はこの意見には全面的には賛成ではないようだが)

また、現在、人はいくつかの中間集団に同時に所属し、ネットを通じて複数のコミュニケーションを選択的に行う「コミュニケーションの網状化」が起こっている。この網状化した状態では一つのキャラを使い続けることは「空気読めない」ことになってしまうため、キャラを演じ分ける必要性が生じた。
ウェブ文化と学校文化(週刊集団)の遭遇した現在、つねに互いのキャラのあり方を問いあうような、終わりなきキャラ戦争の舞台が偏在化したといえる。
著者は子どもがリテラシーを高める場として「チュートリアル機能が埋め込まれたシステム」を作るべきだと述べている。これは、「見せない」「監視する」方向性しか持ち得ないフィルタリングによって、有益な情報へのアクセスが遮断されたり、中国のような国家フィルタリングの危険性までも内包することへの対案でもある。
著者は自身のblogで、
いじめがなくならないように、ネットいじめもなくならない。だから、本書の提案の中ではローカルな中間集団の問題を中心に取り上げているし、だからウェブ上での対応も、「チュートリアル・ゾーン」よりはむしろ「対応フローチャート」の構築の方が重要だと思ったりしている。あくまで観察の精度を上げ、具体的対応の仕方を積み上げていくしかないから。
と述べているように、本書に「キャラ戦争」がネットいじめによって「弱者」を過剰に生み続けないようにケアできるのか、また、インターネットに「未成熟なもの」をどこまで受け入れられるのか、という問いに対する「一発解決」が書かれているわけではない。

ネットいじめ (PHP新書 537)
ネットいじめ (PHP新書 537)荻上 チキ

PHP研究所 2008-07-16
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starこの著者は問題点を整理し、論点をスマートにまとめたレポート作りが、とても上手!
star「ネットいじめ」対策ではなく、あくまでメディア論
star「学校裏サイト」の誠実な分析

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2008/08/06

[NASCAR] 第20戦 インディアナポリス

G+でTV観戦。

インディアナ州インディアナポリスモータースピードウェイにて開催。AllState 400。

インディアナポリスの路面の状態が悪いため、タイヤの摩耗が激しく、使用できるタイヤは9セットから10セットに追加された。

2.5マイルを160周で合計400周を走る。各コーナー間が割と長いので、長短のストレートをコーナーでつなぐようなオーバル。

トニー・スチュアート(Tony Stewart)がジョー・ギブスレーシング(Joe Gibbs racing)を離れることと、ここが生まれ故郷なので今回は勝ちたいところかも。
4周でマイケル・ウォルトリップ(Michael Waltrip)ポール・メナード(Paul Menard)がクラッシュしてイエローフラッグ。このあと、タイヤバーストによるクラッシュが何度か発生。

タイヤの摩耗はやはりひどい。約15ラップで交換が必要になるようだ。コーションの半数程度はタイヤのバーストが原因のクラッシュだ。
デイル・アーンハート Jr(Dale Earnhardt Jr.)は最初のコーション(4週目)でほとんどの車が入らない中でピットインしタイヤ交換した。その後は他の車がピットインするときはステイアウトしていったんはトップに出た。が、タイヤの摩耗が激しいため、結局は自分だけがタイヤ交換に入らなければならなくなりここでラップダウン。一旦ラップダウンになるとなかなか挽回できない。車は速いのでトップと同じ速さで走れるのだが、ラップダウン(36位あたり)から抜け出せず。

ピット作業を2タイヤにしてカイル・ブッシュがトップに立つ。これにたいして、ヘンドリックモータースポーツ(Hendrick Motorsports)は4タイヤ交換で後ろからオーバーテイク、タイヤにリスクは負わないという作戦。

タイヤの劣化が早いため、コンペティションイエローもかなりこまめに設けられる。その結果、レースが頻繁に中断されることになってしまい、面白みがなくなる。

解説の石見周氏によれば、「タイヤメーカーはこうなることは予想できていたはず。しかし会社の開発費が出ないなどで思ったようなタイヤにできていないのでは」と推測。また、「おそらく、観客はこんなにコンペティションイエローが入るのは興ざめだと怒るだろう。問題になるのではないか。」

カイル・ブッシュはタイヤに無理をさせたためか、ペースが上がらなくなってしまい、順位が下がって行く。ジミー・ジョンソン(Jimmie Johnson)ジェフ・ゴードン(Jeff Gordon)がトップ2。

レース全体の問題だということで、Nascarの社長がTV画面で説明にあらわれ、レースの安全が第一だ、と言い訳のような説明。TVスタッフは各チームオーナーにも話を聞くが、全員が不満はあるのだが直接には言わないで、関係者の努力を評価するようなコメント。

残り50周あたりでの順位は、
ジェフ・バートン( Jeff Burton)A.J.アルメンディンガー( A.J. Allmendinger) 、ジミー・ジョンソン。ジュニアはピットを利用してなんとかラップダウンを解消した後、地道に順位を上げて13位まで来ている。

12周程度で必ずコンペティションイエローが出ることがわかってしまっているので、「12周のスプリントレースを15回ぐらいやる」(石見氏)という作戦に切り替えたチームが上位に来ている。ただ、トラブルでのイエローフラッグの発生は予見できないため、それが起こると順位変動の可能性が高くなる。

最後のスティントが7周になり、ジミー・ジョンソンは2タイヤ交換で勝負をかけてピットアウトで1位。背後にカール・エドワーズ( Carl Edwards) が追い上げてぎりぎりの勝負だったが、ジョンソンの勝利。

これでやっとジミー・ジョンソンは2勝目。

2008/08/05

荻上チキ「12歳からのインターネット」

子どものためのインターネットリテラシー本。
副題は「ウェブとのつきあい方を学ぶ36の質問」


このレベルの基礎的な知識を学校で数時間かけて子どもに身につけさせるべきだと思う。が、実際に今の学校はそれ以外にもやるべきことが満載なので、当分そこまでは手が回らない。
この本を読ませて実地訓練を家庭でするようなことが必要かもしれない。

内容は、現在の学校が子どものインターネット使用に対して制約をつけようという方向であるのとはかなり異なる。たとえば、
ネットって困り者ばかりみたい。使わないほうがいいのかな?
に対して、
そんなことはまったくない。インターネットを有意義に使うためにも、「出会い方」をコントロールするんだ。
と、あくまでもポジティブ。
嫌なつながり方をしないように注意し、かといってあまりにいろいろなものとつながりすぎてヘトヘトになることにも気をつけながら、インターネットを使いこなしてほしい。最初にも言ったように、インターネットはうまく使えば、君の大きな助けになってくれるからね。
子ども向けなので、こういった元気付けのメッセージとあわせて、ネットショッピング、フィッシング、チェーンメール、架空請求詐欺、などの避け方な ども分かりやすく書かれている。ところどころに、大人や専門家に相談するように書かれている記述があるのだが、それに対して親が対応できる準備があるのか とその点も心もとない。親も同じように学習していかなければならない、ということだろう。

こう言った教材として使える本が何種類が出てくればそれらを選択して子どもに与えることが親としても可能になるが、今のところ、なかなか、子どもが通読できるものが少ないのが現状だろう。


最後まで読むと保護者へのメッセージのページがある。

たしかに「使わせない」というのもひとつの選択です。保護者の重要な役割のひとつは、子どもに余計な情報や危険性が入ってこないようにすることですから。でもそれは同時に、それらの情報や危険性と、どう向き合っていくかを教えることも求められているということです。


「危険な面」ばかりを強調してケータイやパソコンをとりあげることは簡単ですが、それは根本的な解決にはならないし、いつまでたっても子どもが、未来が、育ちません。
この120ページ余りの小冊子のような本に対して、あれも足りない、これも足りない、ということは簡単だろう。しかし、それでも、この本を最初のステップとして子どもたちをインターネットに送り出すための導入教材を整備していくことは大切だろう。

現在、MIAUでも教科書プロジェクトが走っていると聞く。そういった試みがいくつも立ち上がってくれることは非常に頼もしい気がする。
12歳からのインターネット12歳からのインターネット
荻上 チキ

ミシマ社 2008-06-10
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2008/08/04

[DTM] 第5戦 ノリスリンク

JSPORTS ESPNでTV観戦

ドイツツーリングカー選手権。ニュルンベルグのノリスリンクでのレース。

ポールがブルーノ・スペングラー。今回はメルセデスがフロントロー。スタートでジェイミー・グリーンが前に出てそのまま後続を話す。スペングラー、ディレスタの順。
トムツェックとシュナイダーが8位争いで小さく当てたりしている。トムツェックは1コーナーで奥に行きすぎることが多い。

ディレスタのペースがよくない。後にトム・クリステンセン、マティアス・エクストローム。ティム・シャイダー、ゲイリー・パフェまで一団。ここで、クリステンセンに迫られたディレスタはスピンしてしまう。

トムツェックは車にトラブルが出たようでリタイア。

グリーンが2回目のピットで給油缶をつけたままピットアウト。危ないところだったが、コーナーでうまくはずれて他の車にもあたらずに缶はコースサイドへ。解説の佐藤正勝氏「この缶は、世界一速い缶ですね。」
ピットが2回終了したところで、順位は、グリーン、スペングラー、エスクトローム、シャイダー、パフェ、ディレスタ、クリステンセン、シュナイダー。
クリステンセンはコーナーで膨らんでしまい、ディレスタと入れ替わり、ここでシュナイダーとの争いになる。

シューマッハは予選12位からスタートだったが、残り5周あたりでブレーキに火を吹いてしまい、リタイア。

1,2位はメルセデスどうしでそのままフィニッシュ。

3位争いはエクストロームが最終コーナーでコースのアウト側に行ってしまい、その隙にシャイダーが3位。

2008/08/03

[SBK] 第9戦 ブルノ

JSPORTS で TV観戦。


ワールドスーパーバイク チェコ ブルノ(Brno)での開催。
新舗装なのでタイヤのセッティングが難しい。グリップが出ていないようだ。

RACE 1
ポールポジションはトロイ・ベイリス。
日本人選手は
清成龍一選手 5番手
加賀山就臣選手 10番手
芳賀紀行選手 12番手
中富伸一選手 18番手
玉田誠選手 22番手
青山周平選手 23番手

ホールショットをマックス・ビアッジが取り、トロイ・コーサーと二人でトップ争い。3位にベイリス。清成選手が7位、加賀山選手が8位、芳賀選手が9位、中富選手が12位。清成選手は少しスタートが悪いというか混雑に巻き込まれることが多い。

中盤はビアッジがトップ、コーサー、マックス・ノイキルヒナーの順。ベイリスは様子を見ている感じ。その後では、ファブリツィオと清成選手が5位争い。
10周前後からベイリスが徐々に順位を上げてトップに出て少しずつ離して行く。 4位争いはファブリツィオ、清成選手、ノイキルヒナーの順に。ノイキルヒナーはトラブルなのかここからも遅れ最終的には芳賀選手にもかわされた。

ベイリスは苦手と言うブルノで優勝。
2位 コーサー
3位 ファブリツィオ
4位 ビアッジ
5位 清成選手
6位 芳賀選手
9位 加賀山選手
12位 中富選手
16位 玉田選手
18位 青山選手

RACE2


日本人選手では、ほぼ同じだが、芳賀選手がマシンを交換したのでピットスタート。
最初の周回では、加賀山7位、清成9位、中富14位、玉田20位、青山27位。先頭はコーサー、ベイリス、ビアッジ、ファブリツィオ。
芳賀選手は3周目で19位。ということで10台抜き。

ルーベン・チャウスをかわして清成選手は6位集団のトップに出て前の5位ファブリツィオを追う。
芳賀選手は7週目で11位。18台抜き。

清成選手はファブリツィオをかわして5位になり前方のノイキルヒナーに追いついたのだが、ここから清成選手のペースが上がらず。逆にファブリツィオが前に出て、コーサー、ビアッジが抜き差ししている間に追いつく。まずコーサーをかわし、ビアッジをかわした。
ベイリスが1位で2連勝、ファブリツィオが2位。
 
日本人選手は
6位 清成選手
7位 芳賀選手
9位 加賀山選手
15位 中富選手
17位 玉田選手
18位 青山選手