ビジネス本の一ジャンルに「人脈」をテーマにした本がある。この本もその一冊。あまり気が向かず読んでいなかった「人脈」本も読んでみると案外面白い。「タテ型人脈」の「タテ」は「タテ社会」のタテかと思ったらそうではなく、数だけを目標にするヨコ型に対して、人脈の質(深さ)を問うタテだ。
著者の人脈づくりの大道具は、一貫した活動である「ギブ・アンド・ギブ」である。が、その大テーマだけで押しまくっている本ではなく、小道具としての「ハガキ」(日に三通)や「名刺」(会社用ではなく個人用を自分で作る)、「オリジナル・グッズ」(煎餅や金太郎飴など、ちょっと費用はかかるが面白そう)など、自分で活用しているものを紹介してくれる。
たとえば、名刺交換してもそのままほっておくと「使えない人脈」のままだが、それを深くタテに掘ることでダイアモンド鉱脈にぶつかる。鉱脈は地下でつながっているので、すべての名刺で深く掘ることはできなくても心配ない、という。
また、異業種交流会に関しては「うまい話」を探している人が多くいるのでそれを見分ける修行の場にはなるがそこで多くの出会いを過剰に期待することはできない。「講師と知りあう」、「重要な一人の人に出会う」場とするべき、と一般的に言われているのとは少し違う使い方を勧めている。
「人脈」に関する話は人間関係に関することなので、状況に応じて取るべき戦略が変わる。「ギブ・アンド・ギブ」と言いつつ「頼みごとはすることで人脈力が強くなる」と説く。一方で友人をお客様にしないためには「お金に関する頼みごとを我慢することが人脈力を強くする」という秘訣がある。こう書きながら一度だけこの伝家の宝刀を抜いて自分の処女作を友人に買ってもらった話も正直に(?)書かれていて、安心してみたりする。
この本にある方法を実践したとしても著者のように「今では、思うことは、大抵実現してしまう」ほどの人脈力がすぐにできるわけではないだろう。が、「これならできそう」と思うことが2、3個はある。それを試してみようという気にさせる本だ。
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2009/01/11
2008/12/21
志賀内泰弘 「元気がでてくる「いい話」」
世の中にいい人はたくさんいるし、いい話もたくさんあるのだが、それを並べると説教臭くなってしまい、本を読んでいると「ちょっと、ここまではできないなあ」と思うことも。
この本にそういった「説教臭さ」を感じない。その理由はたぶん無理やり教訓を抽出しようとしていないところかもしれない。友人の会社(Wedding act Stagea)のblogに紹介され、著者についての話を聞いて興味を持ったのでこの本ともう一冊同じ著者の本を購入した。
この本で最も面白いと思ったのは、エピソードの方ではなく「あとがき」。この中で著者は「なぜ志賀内さんだけが『いい話』を見つけられたのだろう」との疑問に対して、次のように言っている。
いろいろなエピソードの中で気に入った話をメモ代わりに記録しておく。今回、この本を読んだ時に気に入った話、ということで。
この本にそういった「説教臭さ」を感じない。その理由はたぶん無理やり教訓を抽出しようとしていないところかもしれない。友人の会社(Wedding act Stagea)のblogに紹介され、著者についての話を聞いて興味を持ったのでこの本ともう一冊同じ著者の本を購入した。
この本で最も面白いと思ったのは、エピソードの方ではなく「あとがき」。この中で著者は「なぜ志賀内さんだけが『いい話』を見つけられたのだろう」との疑問に対して、次のように言っている。
- 心の視線の角度を変えて見る
- 「目の前の人やモノは変わらない」と理解すること
いろいろなエピソードの中で気に入った話をメモ代わりに記録しておく。今回、この本を読んだ時に気に入った話、ということで。
- 金メダリストの秘話
- 一つ実らせるのに十年かかる
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