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2008/03/02

[学校] 海老名市ひびきあう教育

海老名市役所に所用で行ったところ、ロビーに海老名市のひびきあう教育研究の展示があった。

2007年度の研究指定校の成果の展示であり、対象校は

柏ヶ谷小学校 -- 伝えあう力を高める授業づくり



東柏ヶ谷小学校 -- よく考えて自ら取り組む算数の授業



海西中学校 -- 構成的グループエンカウンターの演習



の3校だった。

3校はそれぞれのテーマを各学年ごとの授業の中で展開し、最後の研究授業を行った。その内容が写真を含む展示になっていた。

それぞれの学校の授業の様子がわかり興味深かった。特に、海西中学校のグループエンカウンターは企業の社内研修でも行っているものに近いようにも見えた。

こういったところで行われた研究の成果が他校にも活かされ、「ひびきあう教育」が児童の人間としての成長に役立ってくれるとうれしい。

2008/02/02

河村幹夫「五十歳からの危機管理」

近所のブックオフの新書コーナーに別の本(「生物と無生物の間」)が出ていないかと探しに行って目に止まった本。目的の本はなかったのでかわりに買ってきた。著者の河村幹夫氏の著書は以前に一度読んだ記憶があった。題名は覚えていないが、確か、サラリーマン生活に関する本だったと思う。

そろそろ自分の年齢に近くなったこともあって、定年や老後というテーマの本が気になる年になってきた。

副題に「健康・財産・家族の守り方」とあるとおり、老後の生活に何千万必要であるからすぐに投資せよ、といった類の煽りは全くない。著者は五十歳にかぎらないが定年を間近に迎えた世代に対して主にリスクマネジメントを中心に据え、自らの経験を引きつつ助言をする、という内容。

海外赴任経験もある商社マンから大学教員に転職しているという経歴のためか、長期的・国際的な観点での記述も多い。特に、心にひっかかった一節を以下に引用する。

残念だが現在の私には、経済は中規模であっても、国家には品格があり、国民は品性を保ち、凛としたプライドと自信を持って、胸を張って生きている、そんな10年後の「この国の姿」を頭の中に描き出すことは、できない。
その理由は多々あるが、重要なことを一つだけあげれば、それは「教育の劣化」である。何も今始まったことではないが、能力面でも精神面でも何一つ本質的なものを与えることなく、ただ役人の書く朝令暮改的な方針の表面的な執行だけでは、日本国民としての筋金のはいった、世界で尊敬される人物をシステム的に世に送り出すことはますます不可能だからである。
むしろ私の頭に浮かぶのは、静かな10年後の日本である。ここでの静かというのはけっして静謐(世の中が穏やかに治まっている)ではなく、むしろ頽廃の危険を秘めた無気力な静態である。高齢者に元気がない、若者に元気がない、それでいて、他人よりもすこしでも恵まれた状態にいたい、他人よりすこしでも多くマネーを持っていたい、他人より少しでも安全でいたい。そんな人ばかりになったら、国家として成立しているだろうか。また諸外国からの圧力に勝てるだろうか。
(中略)
答えは誰にでもわかっているはずなのだが、決断と実行を一日のばしにしている。そういう国と国民に、よりよき明日はあるだろうか。


私は団塊の世代の直後の世代。自分の定年のときには定年後老人が世間にあふれている状況を想定しているが、そのとき、その老人たちはどのように暮らしているのだろうか、というイメージは全くもてないでいた。この本を読んで、そちらばかりに気を取られているのではだめだ。自分なりのこの先の十年(あるいは二十年)のイメージを明確に持ち、リスクにも備えることが大切なのだ、と思い直した。改めて書いてみれば何一つ特別なことではないのだが、日々の生活で手一杯な自分にはこういった本を読み「先達」の言葉を聞くことも必要なこと。特にこの年代の知り合いが近くにいて意見を交換できる環境を持っていないからなおさらだ。
五〇歳からの危機管理―健康・財産・家族の守り方 (角川oneテーマ21)五〇歳からの危機管理―健康・財産・家族の守り方 (角川oneテーマ21)
河村 幹夫

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