ページ

2011/02/26

ヒラリー・ウォー 「この町の誰かが」

これは電書部で入手した対談集でタイトルが言及されていたヒラリー・ウォーの作品の一冊。まず「ながい眠り」を読んでなかなか面白かったので、同じ作者のもう一冊のおすすめを読んでみた。


郊外の住宅街で女子高校生がレイプ殺人の被害にあった。

この殺人事件を街の警察署長が調査する、という舞台設定はなんとなく「ながい眠り」にも似ている。
捜査の進展がはかばかしくないところも似ているのだが、この話の方が「読み出したら止まらない」

捜査は進展しないのに住民が抱えている秘密や、普段は意識していない偏見が、どんどん掘り起こされる。
犯人探しの進展もさることながら、住人の間の反目や人種差別、精神病患者らしき人への差別、ゲイへの偏見など建前としては存在しないものが殺人事件というきっかけでどんどん表に出てくる。

アメリカのサバービアの無表情な平穏さがまやかしだ、と言っているかのうようなストーリー。

電書部で購入した「サバービアとミステリ 郊外/都市/犯罪の文学」川出正樹、霜月蒼、杉江松恋、米光一成 には以下のような仮説が提示されていた。
【仮説3:サバービアなもの、郊外を舞台にしたミステリの嚆矢はヒラリー・ウォーである】ということだと思う。

2011/02/25

[DTM] 2010 第10戦 アドリア

ドイツツーリングマスターズ選手権
2010年 第10戦 アドリア

実況:中島秀之
解説:佐藤正勝


コースは2.702kmのショートコース
屋根のある立派なパドック。
「立派な筑波」(佐藤)

予選ではパフェ、スペングラー、エクストロームが前に。ティモ・シャイダーが大失敗の15番グリッド。
このレースはラジオ・カナダが中継。これはカナダ人のスペングラーのため。
ポール・ディレスタが2連勝を挙げてチャンピオン取りに勢いがついてきた。

スタート。

スペングラー、パフェ、ロッケンフェラーが前に。
ディレスタはロッケンフェラーと接触。
プレマの車がエンゲルと接触し、ストレート上で縦回転する大クラッシュ。

赤旗中断で再スタート。中断が長かったため、時間制限がかかる。

ディレスタが17位まで下がり、シャイダーは7位まで上がった。

シャイダーはさらに順位を上げ、スペングラー、パフェ、エクストロームに続き4番手。

シャイダーは2回目ピットを遅らせて距離をかせぎ、2回目ピット終了でトップへ。
パフェとスペングラーの前で優勝。

ディレスタはモリーナと接触してまた順位を下げる。
エクストロームが最後にディレスタの前に出て1ポイントを奪取。

ディレスタ「2度とも自分のせいじゃない。他のドライバーがアグレッシブ。」

2011/02/24

[NASCAR] 2010 第34戦 テキサス AAA TEXAS 500

NASCAR
2010年 第34戦 テキサス

コース
1.5マイル × 334
ターン 24度、ストレッチ 5度

ポールポジションはエリオット・サドラー。
チェイスをねらえる3人、ハービック、ジョンソン、ハムリンは、いずれも後方スタート。

結果は、デニー・ハムリンが優勝してポイント差で首位に。ジミー・ジョンソンが残り2戦でトップ通過していないのは久しぶり。シーズン最後まで盛り上がる展開になった。

放送:G+
実況:藤田大介
解説:天野雅彦

「ボーナスポイントは重要。リードラップ、最多リードラップを取れば10ポイント。他の二人がポイントを取れば自分も取らなければならない。」(天野)

エドワーズは前日のネイションワイドで勝っている。
コース西のスタンドの影がコースに落ちる。そのために路温が変化する。


ジミー・ジョンソン
ピット作業にミスが多い。ドライバーよりクルーがおたおたしている。レース途中でリタイアしたジェフ・ゴードンのクルーを自分のチームと総入れ替え、というアイデアをチャド・カナウスが思いつき、これにより作業は速くなった。最後のリスタートでは、車のペースが上がらないビフルに前を抑えられて順位が上がらず。9位。


トレバー・ベイン
新人ドライバーがこのレースでデビュー。チームはウッド・ブラザーズという名門。「21号車は伝統ある番号。このコースでデビューさせるんですねぇ。」(天野)

ジェフ・ゴードン
トゥーレックスジュニアの3度目のコーション中にゴードンの後ろからジェフ・バートンが接触。イエロー発生後のスロー走行中にバートンがゴードンのリアに入ってきて加速。ゴードンの車も大破。
イエロー中のクラッシュにゴードンは激怒し、車を降りた後でバートンにつかみかかる。
バートン「100%自分のミス。自分だとしても怒っただろう。」
この喧嘩に観客が歓声。
これによりリタイアとなったゴードンのクルーはすぐジョンソンのピットへ移動。代わりにジョンソンのクルーがゴードンのトラックの片づけをしていた。


デニー・ハムリン
スタートでは25位付近。ピットの度にアジャストを繰り返し、少しずつ上位へ上がり、最後のリスタートではケンゼスと最前列。ケンゼスより前に出て優勝した。ジョンソンが下位に下がったことでポイント差でトップ。


ケビン・ハービック
チェイス上位3人の中では3位。
下位スタートから上がってくるいつものパターン。4,5位争いまで上がったころから、徐々に車のペースが上がらなくなる。アウト側ラインしか走れない車で最後のコーションにピットインを行い、リスタートではジョンソンより前に出た6位。

グレッグ・ビフル
前半のレースはビフルが支配。ところが日陰が多くなったころから車のセッティングが外れ始め、ギアトラブルもあって順位が下がる。ジョンソンの前まで下がったところでコーションのリスタート。ギアが壊れてリスタートのペースが悪くジョンソンの前を抑える形になり、ハムリン、ハービックにはラッキー、ジョンソンはかなり不満だった様子。

2011/02/22

[WRC] 2010 第12戦 スペイン

世界ラリー選手権
2010年 第12戦 スペイン

放送:JSPORTS ESPN
MC:山岸舞彩
解説:福井敏雄、古賀敬介

今年はFIAのレギュレーション変更でミックスサーフェスが可能になったので、スペインではステージ内ミックス。グラベルの中にターマックが混ざる。

キミ・ライコネンがシェイクダウンでクラッシュし欠場。
「このラリーが一番よい成績が残せる可能性のあるラリーだったので残念がっていた。」(古賀)

DAY 1
ミックス
SS1 は霧。土埃はすくない。
車はグラベルに合わせたセッティング。
「ホイールのストロークがしやすい。グラベルの基本セッティング」
「車高を下げてサスペンションを硬くすると、車が飛ぶのでグリップが弱くなる。」(福井)

ソルドは「硬すぎたかも」
スペイン地元で勝ちたいという気持が強く空回り。

午後は晴れた。
「霧の日は晴れる。これはほぼ100%当たります。」(福井)
オジェがローブよりも速い。

DAY 2
ターマック
SS9でオジェがスピンしてクラッシュ。「ペースノートの聞き違い、と言ってました」(古賀)
SS10 ペター・ソルベルグ「ローブに少しやさしくしてくれと言ったんだ」
ソルドはペースの落ちたヒルボネンに追いついてしまい、リアに当てて抜いていく。
「ペターは成長した。」「ペターの車のデフがあっていないのでアグレッシブにドライブしなければならなかった。」(古賀)

DAY2終了時点では、ローブ、ペター、ソルド

DAY 3
SS13 ペターはタイヤ温存で5秒失った。

最終順位は ローブ、ペター、ソルド

ソルド「ペターといい戦いができた。観客のためにスライドさせすぎた。この表彰台は観客に捧げる。」
ソルドはDAY 1では全くいいところがなく、表彰台どころではなかった。DAY2のグラベルから復活できた。 自分でも言うようにソルドはプレッシャーに弱いようだ。
ローブ「C4はターマックで全勝だ。ここで勝てなかったらミックスだったからターマックではないというつもりだったが、勝ったのでターマックと言う」

TV放送での三人の優勝予想は全滅。

TVでは最後に次期WRカーのちら見せ。
シトロエン、フォード、ミニ。この中ではミニが一番ホールベースが長い。
シトロエンの完成度が高そう。

2011/02/18

米光一成、小沢高広 「誰でも作れる電子書籍」

電子書籍リーダーのハードウェア、ソフトウェアが簡単に入手できるようになり、電子データ本を簡単に読めるようになった。印刷本とデータのどちらで購入するかを選択できる、という本屋的な視点に目が行きがちだが、そればかりではない可能性があることを著者は「宣言」している。

米光・小沢対談で小沢高広が言うように、印刷した紙を製本するという物理的な形を取らなくなることで、表現方法が変化する。対談で例を挙げているように、まんがのコマ割りや「ノド」にセリフを書くかどうか、見開きの使い方、など表現の制約条件が変わる。そのことにより、新しい表現方法が生まれる可能性もある。

また、制作や流通の方法にも自由度が増す。米光一成が言うように、自分の「電書」(電子書籍とは呼ばない)データを持ち歩いて街中で交換する、なんていう誰でもが作者であり読者でもある、という世界も実現するかもしれない。

電書フリマというイベントに一度自分も行ったことがあるが、作者と話をしたりして本を選びお金を払う。データをダウンロードするURLが自分のメールアドレスに送信され、そこをたどってダウンロードする、というものだった。

自分が表現したものを簡単にデータ化して読んでもらうことができる。それは同時に誰かが書いたものを簡単に読める、相互に交換もできる、ということ。

出版業界からは、電子書籍「元年」(2010年のこと)で出版社はどうなるのか、という方向の話が多い。しかし、この本にあるように作者と読者との垣根が低い状況になり、表現の場としての「電書」の可能性が広がったという見方が、今まで単なる読者の位置にいた自分たちには重要なのだ。

「電書フリマZ」に行くまで「電書を対面販売してダウンロードって、どういうこと?」と疑問だらけだったのだが、この本で基本的なコンセプトが提示されている。自分の書いたものはコミュニケーションなので、受け取る人に「渡したい」ということであり、そのお礼にお金を渡すイメージ。

電子データにしたことで紙の出版をベースにした制約が緩くなるので、制作途中の状態でも公開してしまう、とか、直前まで制作が可能だったりするとか、「産業としての出版」ではないところでの「電書」は、楽しいことが多いんじゃないかなあ、と思う。

「電書部」の作品の中では、システム構築の打ち合わせSkypeチャットを編集したものが一番のお気に入り。システム構築の「非公式な進行はどうなっているのか?」という自分の疑問に対する回答、として読んだ。「おー、LaTeXなのかぁ。」とか「手作業対応、ありがち。」とか、自分なりに共感できる部分が多い。しかし、この内容が既存の出版社から出せるかというと難しい。同人誌で紙で出すことはできるかもしれないが、それだと作る側が在庫を持たなければならくなるので作る側に負担があるだろう。その点でも「電書」は有益だ。

たとえば、常にUSBメモリかiPodに自分の「電書」作品を入れて持ち歩き、「作者」どうしで交換するというコミュニケーションもあり得る。そう思うと、「書きたいもの」のない自分がちょっと…、ではあるが、文字の人のコミュニケーションが広がる可能性が高まった、と言う点でも、今からいろいろ楽しいことができそうな気がする。

2011/02/12

[MotoGP] 2010 第19戦 バレンシア

MotoGP
2010 第19戦 バレンシア

2010年の最終戦。リカルドトレモはスタジアム型で観客席からコースのほとんどが見える。MotoGPでは少し短めの4kmでコンパクトに設計されているため中低速コーナーが多い。

125cc
実況:寺島淳司
解説:坂田和人

ポイント差では、マルケスが297で、テロルの280をリードしており、ほぼ確実にチャンピオンになれる。

スタート:
スミス、テロル、マルケス。
「テロルをチームオーダーでサポート」というリリースが出ているとのこと。そのとおりだとすれば、スミスはテロルを前にいかせたいはずだが、そのまま走行している。

スミス、テロル、マルケス、エスパルガロの順。

マルケスは徐々に順位を上げ、テロルに接近、その後ろにエスパルガロ。
3台で集団になるが、マルケスはエスパルガロを前に出して後ろに下がる。

マルケスはこの順位をキープしてフィニッシュ。
「マルケスはよく我慢しましたね」(坂田)

マルケスのチャンピオンが確定。最終レースでは表彰台を我慢してチャンピオン優先。
2011シーズンはテロルは今のbancaja ASPERに残留、その他はMoto2にクラス変更予定。

moto2
実況:高橋雄一
解説:青木拓磨

チャンピオンはエリアスで決定している。日本的にはコンストラクタータイトルがモリワキになる可能性が残っているのが気になる。条件はきびしくて、モリワキ車両がトップで、スッターが4位以下の場合にのみモリワキがコンストラクタータイトルを取る。

スタートではイアンノーネがトップ。

イアンノーネ、ソフォーグル、レディング、ブラドル、アブラハム、が中心になってトップ争い。
エリアスはセッティングがおかしいのかペースが上がらない。

ブラドル、ソフォーグルは途中で転倒。
ソフォーグルは前戦はレインタイヤ選択で途中からレースが難しくなったし、今回は転倒と、レースができていない状況だが、走れれば速い。

残り10周あたりから、シモン、イアンノーネ、エリアス、アブラハムまでがトップ争い。
前半戦ではイアンノーネはトップに出て逃げ切れるケースが多かった。このレースではあまり引き離せない。



イアンノーネがイン側を閉めて失速したところに、シモンとエリアスが突っ込んでしまい、エリアスはコースアウトしグラベルで転倒。復帰はしたがかなり後方でのフィニッシュとなった。
エリアスとシモンが接触、イアンノーネが失速した隙に、アブラハムがトップに立ち、そのままフィニッシュ。アブラハムは、トップでかなり荒っぽく攻めていた印象があるが、「漁夫の利」的な勝利。
イアンノーネも接触があったが転倒はしなかった。

アブラハムの父親はチェコのブルノサーキットの共同オーナーという富豪。
アブラハムの優勝により、シーズン優勝者は9人となった。

MotoGP
実況:中野謙吾
解説:辻本聡

珍しくフライオーバーで旅客機がサーキット上空を飛行。機体にはロレンソの走行している姿か描かれている。ロレンソはカスタムメイドのスワロフスキーをちりばめたヘルメットで走る。

小さい中低速コーナー中心のサーキットなので、怪我の回復中のペドロサには厳しい。

スタート直後、ロレンソとシモンチェリが接触。ロレンソは路面に膝がついていたように見えた。転倒を避けて立て直し、7位まで後退。

ストーナーがトップに立ち、ペドロサが2位。

ストーナーが逃げ、ペドロサは中盤からペースが上がらない。「身体がきついのか」(辻本)
鎖骨にはまだボルトが入っている状態で回復も完全ではないので痛みがあるらしい。

ロレンソは7位から追い上げて、ロッシもオーバーテイクした。
残り8周でロレンソはストーナーをオーバーテイクし、ロレンソ、ストーナー、ロッシの順でフィニッシュ。

後方では、
ドビツィオーソ、シモンチェリ、ペドロサ、スピーズ、の4番手争い。スピーズがドビツィオーソ、シモンチェリよりも前に出た。

ロッシ、ストーナー共に、今のチームでの最後のレース。

2011/02/11

[IRC] 2010 第10戦 ラリーサンレモ

International Rally Challenge
2010年 第10戦 ラリーサンレモ

S2000が30台参戦

ハンニネンは2位以上でチャンピオンがほぼ確実になる。
今回はイタリア選手権共催。

DAY 1

天候は雨。
タイヤ選択がカギ。

ナイトステージがある。
30分以上、トンネルを走るのと同じ。
海側と山側で10km違うと天気が違う。

ミークはタイヤ選択を誤りスピン「雨が完全に止むとは。」

バッソ、アンドレウッチ、ロゼッティ、ミーク

DAY 2

アンドレウッチはトップに。バッソとロゼッティはトラブルで順位を落とした。

最終順位は、アンドレウッチ、ハンニネン、ロイクス、ミーク

決定ではないがハンニネンがチャンピオンに近づいた。

2011/02/09

[DTM] 2010 第9戦 ホッケンハイム

放送:JSPORTS
実況:中島秀之
解説:佐藤正勝

BMWがDTMへの参戦発表。2012から予定。2011年はテストと開発。

使用するコースはグランプリコースではなく、パラボリカの先、ヘアピンの手前で直角に曲がるショートコース。ここでコースアウトが発生していた。

決勝
シャイダーがポールポジションからきれいにスタート。
後ろにいたスペングラーがコーナーを曲がらずにまっすぐにエスケープに突っ込み、これにつられたのか9台を巻き込むクラッシュがコーナーで発生。

レース車両は18台から11台に。

 シャイダー、ロッケンフェラー、パフェの順で走行していたが、ポール・ディレスタが、2回目のピットを引っ張ってペースを落とさずにタイムをかせぎ、2回目のピットアウトでシャイダーの前に出た。

ディレスタは3連勝。
レース後のポイントでディレスタがトップに立った。

また、ポイント上、メルセデスのドライバー3人の誰かがシリーズチャンピオンになることが確定し、アウディはドライバーチャンピオンを失うことが決まった。