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2008/03/31

米光一成「仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本」

ゲームクリエイターの米光一成氏が書いたプロジェクト本。プロジェクトの遂行にかかわる人たちをRPGのキャラクターになぞらえつつ、プロジェクトを進めるコツや心の持ち方を説明している。米光さんといえば、ぷよぷよの初代を作った人。いわゆる「プロジェクト管理本」に出てくるリソースマネジメントやリスク分析、と言ったテクニカルタームは一切出てこない。ただ、本書を通読すると筆者はそれを排除しているのではなく自分なりに消化してしまったか体得したとわかる。

勇者(あなた)が王様(上司や社長)や王国(会社や組織)と対立したり協力したりしながら進めていく。そのとき勇者が問題やメンバーたちと話をする態度は「イエスアンド」。メンバーが何かアイデアを出してきたり問題点を指摘してきたら相手の言うことを受け止めた上で(イエス)、「じゃあ君はどうしたらいいの?」(アンド)と相手に考えさせる。

よく起こる王様との対立についても以下のように書いている。

「王様と対立する根源的な理由がわかっていれば、王様の敵になることはない。仲良く対立できるようにすればいいのだ。王様は、当然、保守だ。今の王国を守りたい。だから、勇者の新しい冒険について複雑な思いを抱いている。」そして「『王様の冒険に、ぼくたちは敬意を持ち、そのうえで新しい冒険にチャレンジしているんです』ときちんと伝えることが大切だ。」

王様(うえのひと)がなんだか消極的な対応をしているように見えるときには上記を思い出すことが役に立つかもしれない。
もともとこの本は豊崎由美の書評から興味を持って読んだ。この人の書評はなかなか面白いのだ。ページ数は多くないが今後プロジェクトを進めるときには何度か読み返したい本。
仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本
米光 一成

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2008/03/29

ランドセルのリユース 発送

3月27日、帰宅後にメールをチェックすると「ランドセルは海を越えて」事務局より発送先の知らせがメールで届いていた。ちょっと疲れていたのでその日はそのままにして、翌朝、近くのコンビニに適当な空き箱に入れたランドセル2個を持っていき宅配便にて指定された横浜市内の倉庫あてに発送する。

クロネコヤマトの宅配便の料金は1270円。捨ててしまえばゴミになるし、ミニランドセルに作り替えるとしても残った素材はゴミにするしかない。それを思えば寿命が来るまで使ってもらった方がいいと思う。インターネットでミニランドセルと検索するとたくさん出てくるが、1万円近くするものもある。

ただし、この配送にかかるエネルギーを考えると古いものをゴミにして新しいランドセルを作った場合との比較して、どちらがどれだけ優れていると単純には言えないかもしれない。

毎年決まって貢献できるものでもないが、アフガニスタンにせよモンゴルにせよ子供たちが元気に学校に通学し、その後の生活向上に希望を持ってくれるのならうれしい。

事務局はボランティアだけの運営かもしれないのだが、アナウンスされていた当初予定では3月24日から倉庫受け入れ開始のはずが、24日を過ぎても発送先が知らされずやきもきした。ウェブサイト上では、「中旬にメールでお知らせ、受け入れは3月24日から4月7日」となっていたため同じく送付を用意していた知人は何度か事務局に問い合わせた。

スケジュール変更があったのなら、メールでまず一報入れてくれれば、送り出す準備をしているこちらとしてもありがたい。特に、春休みに入ってしまうと、旅行で自宅を留守にするなどメールのチェックができない。そう言う点は、事務局の運営にひと工夫あってもいい、と思う。

2008/03/11

[柏ヶ谷中学校] sowelu サプライズライブ

2008年3月11日、海老名市の中学校では2007年度卒業生の卒業式が行われた。

柏ヶ谷中学校では卒業式(の後?)でsoweluがサプライズライブを行ったそうだ。おそらくは卒業生の中にファンがいて、イベント募集に応募したものだろう。何か催しがあるらしいとのうわさは在校生の一部に流れていたようだ。

現場に行っていないのでどのような状態だったのかはわからない。が、柏ヶ谷中学校の体育館は決して大きいステージを持っているわけではないし、PA環境もよくはない。その中で歌を歌ったとすると、どうだったのかな、とも思うが、卒業生たちにはいい思い出になったことだろう。

Soweluが卒業式にサプライズ登場!新曲で生徒を応援 (ナタリー)

2008/03/09

[海老名市]こころのバリアフリー2008

海老名市こころのバリアフリー2008~かかわり・つながり・ささえあい~

2008年3月9日、午後1時から、海老名市文化会館大ホールで2008年の「こころのバリアフリー」が開催された。第一部の後援会に水谷修氏が来るということを自治会の掲示板で知り、メールで申し込んだ。少しセンセーショナルな取り上げられ方をしている人なので、実際にどういったことを考えているのか知りたいと思ったからだ。講演ではそういった深い話がでるかどうかはわからないが、TVよりはいいだろう、と。

今日、会場に行くと会場前ではキャンセル待ちの列、中は満席との表示。

市長のあいさつを聞くと、前年までは小さいホールを使っていたが5年の区切りなので大ホールにしたいとの要望が実行委員会や市役所の担当部署があった、と。
内容は:
第一部が水谷氏の講演とあにまーと☆シャインのよさこい踊り
  あにまーとは知的障害児と親の会で主に余暇支援をしている海老名市の団体である。
第二部がシンポジウム。

シンポジウムの出席者は
コーディネーター 岩室紳也
シンポジウム
 水谷 修
 木村 美和子 (道草の会)
 幸田 啓子 (座間市手をつなぐ育成回キャラバン隊)
 谷岡 裕子 (海老名 相談支援センター ほしや)

水谷氏はTVのドキュメントで一度見たことがあったが、実際の講演を聞くと感じが違う。一つにはTVで見たのは何年も前のことなので年をとったということもあるが。かなり背の高い人だな、と感じた。

いろいろなエピソードが織り込まれていて飽きさせない1時間程度の講演。氏は夜、街を見回る活動が有名だが、リストカットなど街に出るわけではない子どもたちの相談も受けていて、ポイントはそちらの方に移りつつあるのかもしれない。親の虐待、学校での(先生との)トラブル、いじめ、過剰期待などからリストカットをしてしまう子供たちに対して、大人はその子を受け入れてやさしい言葉をかけてあげましょう、過去を責めないで受け入れましょう、という、要約してしまうとなんてことはない話なのだが、実体験から出てくると、やっぱりそうかな、と納得してしまう。それに、簡単なことだからすでにできているかというと全くそうではない。

すべてのトラブルが挨拶や声掛けで解決することはないだろうが、そういった原始的なコミュニケーションが欠けているのは確かだ。

自殺者3万人という統計は嘘で、実際には10万人程度が自殺しているはずだそうだ。この差は遺体を検案する際に「自殺」となるのが遺書がある場合など明らかに自殺である場合でしかないから。実際にかかわった子どもが自殺した際にも事故死となった、とのこと。今、新聞などで3万人という前提でいろいろな話が進んでいるのだが、実際に10万人となれば全く違ったレベルの話になる。

会の最後には、ボランティアスタッフがアレンジしてくれた花束が抽選でプレゼントされた。これにははずれ。ロビーに出たら、書籍の販売に長い列ができていた。市販の本はほかでも帰るので今日は買わずに帰宅。

とりあえず、家に帰ったら子どもにちゃんと声をかけて、いいところを認めるという地道だけどできていなかったことをやろう、と帰ってきたら、子どもはアニメに夢中でした。(笑)

でも、少々成績は悪いがここまで無事に大きくなってくれたことに感謝します。ありがとう。

海老名市:子ども会資源回収終了





新学期に向けて、子ども会でも卒業する子供たちを送り出し、新しい子供たちを受け入れる準備が始まっているようだ。このあたりでも、高学年の女子になると抜ける子が多いようだが、なんとか活動は続いている。

写真上は今年の新入生歓迎会の手作りポスター。自治会の掲示板に貼られていたもの。

ところで、子ども会の活動の一つに資源回収がある。回収したものを業者に引き取ってもらった収入は子ども会の活動資金になっている。この活動にはわずかながら海老名市から奨励金が出ていたようだ。
毎月1回土曜日の午前中に子供たちが家々をまわって新聞、空きビンなどを回収してくれる。
回収の前の週にはあちこちに回収を知らせる貼り紙が掲示される。

ところが、この活動が中止になるとのこと。写真下は資源回収の終了を知らせる貼り紙。
市の奨励金がなくなることと、業者が確保できないという二つの理由から、中止になるらしい。

海老名市の予算の中身を精査したわけではないが、こういったわずかな金額も削ることになっている。子ども会のイベントに影響がなければいいのだが。

2008/03/07

烏賀陽弘道「Jポップとは何か」

ふとインターネット書店でクリックしてしまった。岩波新書を読むのはかなり久し振りではないだろうか。

著者の烏賀陽弘道は朝日新聞勤務の後、フリーになっている。その後、サイゾーという雑誌にコメントした内容をめぐってオリコンから損害賠償の訴えを起こされている。その裁判の判決は2008年の6月ごろに出る予定。

Jポップの誕生、タイアップやカラオケボックスをテコにした音楽産業の巨大化、全国渋谷化から、CDからオンライン配信への移行などが漏れることがなくカバーされている。単にJポップだけにとどまらない日本の音楽産業について広くカバーした力作だ。

今まで何の気なしに聞いていたJポップというジャンルが、J-WAVEを一つの発信源として始まったというのは新しい発見であったが、思い返すと心当たりもある。J-WAVEの日曜日に放送されるTOKYO HOT 100では最初のころは日本の楽曲はランキングに入ったことがなかった。今はJ-WAVEもやや普通なFM放送になっており、日本語の曲がたくさんかかるし、おしゃべりの時間が長い。そこにも音楽産業の形の変化を感じることができる。

本書を最後まで読むと、レコード会社と音楽産業(筆者の言葉では「Jポップ産業複合体」)はどこに向かうのかという不安が頭に浮かぶ。

最近の違法コンテンツのダウンロード違法化(送信側ばかりではなくダウンロード側に処罰を可能にする)などの動きは、今でも「うた」以外の部分に原因を求めるレコード会社の不毛なあがきなのだろうか。

最後に筆者のつぶやきにも似た結びの言葉を引用する。

CDが売れなくなったことについて、「外部の敵」を非難することには熱心だが、「自分たちが送り出す楽曲は、今のままでいいのか」という真剣な議論や検討の声が全く聞こえてこないのだ。そういう反省がないまま「外部の敵潰し」ばかりを続ければ、リスナーの反感を買うだけの結果に終わりかねない。そろそろ「タイアップなどなくとも、人々の心に響くうたをつくろう」というごく単純明快な「製品内競争」が始まってもいいころではないだろうか。

Jポップとは何か―巨大化する音楽産業 (岩波新書)Jポップとは何か―巨大化する音楽産業 (岩波新書)
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2008/03/04

海老名市:消防団員募集とOB採用


最近、あちこちに消防団員募集のポスターが貼ってある。消防団員は出場の要請があると現場に行かなければならない。ところが、会社員の場合は時間帯によっては地域内にいないことが多い。そのために人数不足になることが予想される。タウンページの2008年1月11日号に以下のような記事が掲載された。また、徐々に若い世代が減っているという現状も無視できない。
現在、海老名市消防団には208人が所属し、定員に対し20人満たない。自営業者や農家の減少、奉仕意識の低下などが原因と見られる。さらに海老名市消防団では団員の半数以上がサラリーマンで、市外への勤務者が48人を数えるなど、緊急時に出動できない可能性もある。
 特に人員不足が顕著なのは中河内地区の第9分団で団員数は10人。1分団15人の定員に5人足りない状況だ。さらには、経験したらそのまま勇退となるのが通例の分団長経験者も多く在籍し、解散の声も聞こえてくるといった状況。
 そこで市では災害発生時の一助として、今年4月から火災発生時などに消防団OBが消防団員の支援を行う「消防協力員制度」を規則として定める方向で調整を進めている。これは60歳以下で5年以上勤務した消防団OBを、市の非常勤特別職として採用し、消防団の支援等にあたらせるもの。県内では初めての試みで、市では1分団につき5人、全体で75人前後の採用を目指している。市によると「大規模災害時などには率先して活躍してもらえれば」と消防力アップに期待を寄せている。

小さい町だから消防団が必要なわけだが、同時に小さい町だから市外へ通勤する消防団員が多い、ということも起こる。60歳以下を採用とのことなので、定年制なのかどうかも気になる。内容から言うと年齢よりは実作業が可能かどうかという体力的な面が大きいと思うので、定期的な訓練がきつくなったら引退、というようなことになるのだろうか。

関東に地震が発生するのは時間の問題だろう。そのときにボランティアを組織化できる消防団員がある程度確保できていると有事の対応がスムーズになることも期待して、このOB採用がうまくいくことを期待する。

2008/03/02

[学校] 海老名市ひびきあう教育

海老名市役所に所用で行ったところ、ロビーに海老名市のひびきあう教育研究の展示があった。

2007年度の研究指定校の成果の展示であり、対象校は

柏ヶ谷小学校 -- 伝えあう力を高める授業づくり



東柏ヶ谷小学校 -- よく考えて自ら取り組む算数の授業



海西中学校 -- 構成的グループエンカウンターの演習



の3校だった。

3校はそれぞれのテーマを各学年ごとの授業の中で展開し、最後の研究授業を行った。その内容が写真を含む展示になっていた。

それぞれの学校の授業の様子がわかり興味深かった。特に、海西中学校のグループエンカウンターは企業の社内研修でも行っているものに近いようにも見えた。

こういったところで行われた研究の成果が他校にも活かされ、「ひびきあう教育」が児童の人間としての成長に役立ってくれるとうれしい。