ページ

2008/03/31

米光一成「仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本」

ゲームクリエイターの米光一成氏が書いたプロジェクト本。プロジェクトの遂行にかかわる人たちをRPGのキャラクターになぞらえつつ、プロジェクトを進めるコツや心の持ち方を説明している。米光さんといえば、ぷよぷよの初代を作った人。いわゆる「プロジェクト管理本」に出てくるリソースマネジメントやリスク分析、と言ったテクニカルタームは一切出てこない。ただ、本書を通読すると筆者はそれを排除しているのではなく自分なりに消化してしまったか体得したとわかる。

勇者(あなた)が王様(上司や社長)や王国(会社や組織)と対立したり協力したりしながら進めていく。そのとき勇者が問題やメンバーたちと話をする態度は「イエスアンド」。メンバーが何かアイデアを出してきたり問題点を指摘してきたら相手の言うことを受け止めた上で(イエス)、「じゃあ君はどうしたらいいの?」(アンド)と相手に考えさせる。

よく起こる王様との対立についても以下のように書いている。

「王様と対立する根源的な理由がわかっていれば、王様の敵になることはない。仲良く対立できるようにすればいいのだ。王様は、当然、保守だ。今の王国を守りたい。だから、勇者の新しい冒険について複雑な思いを抱いている。」そして「『王様の冒険に、ぼくたちは敬意を持ち、そのうえで新しい冒険にチャレンジしているんです』ときちんと伝えることが大切だ。」

王様(うえのひと)がなんだか消極的な対応をしているように見えるときには上記を思い出すことが役に立つかもしれない。
もともとこの本は豊崎由美の書評から興味を持って読んだ。この人の書評はなかなか面白いのだ。ページ数は多くないが今後プロジェクトを進めるときには何度か読み返したい本。
仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本
米光 一成

ベストセラーズ 2007-07-14
売り上げランキング : 41982

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

0 件のコメント:

コメントを投稿