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2008/04/02

永六輔「大往生」

永六輔はTBSラジオで長寿番組を持っている。これを聞いたことがきっかけとなって興味を持ち入手した本が岩波新書の「大往生」。

街の人たちの語録、永氏の盟友だった中村八大、いずみたくの死への思い、淡谷のり子を迎えた対談、などが、永氏の亡父である故永忠順氏に捧げられている。

本の前半は語録、後半はエッセー風な読み物になっている。

「遺言状を書く勇気もなくて、よく死ねるネ」
☆弁護士会も、税理士会も、遺言状を書くようにすすめている。アメリカの企業の責任者は八五パーセントが遺言状を書き、日本では八五パーセントが無関心だという。良い葬式のためにも「故人の遺志」は重要であり、その証拠が遺言状なのだ。
遺言状を書いてみると、自分が何を大切に生きているかも確認できるから、この本を読み終わったらすぐにでも!


と書いている永氏自身が「病院で死ぬということ」の著者の山崎医師との対談の中では

 ぼくは何度か遺書を書こうと思ったんですよ。でも、途中でやっぱりイヤになってやめちゃった。だんだん悲しくなって。自分の死を見つめるというのは、たいへんなことなんですね。先生はいかがですか?

山崎 書いていません。漠然と、まだ生きられると思って(笑)。(略)


と言っている。考えていても実行に移すことは大変なようだ。
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永 六輔

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