著者の福岡伸一氏は青山学院大学の教授で、分子生物学が専門。
なのだが、、語り口が通常の科学読み物よりもドラマチックで物語的。しかも、本書の最初に「生物と無生物との間にはどのような界面があるのだろうか」という問いを一旦おきながら、DNAの発見にいたるドラマ(エイブリー、シャルガフ、ロザリンド・フランクリン)、ポスドクの生活観、PCRの発案者キャリー・マリス、著者がかかわったGP2タンパク質の解析、などの個々の話が面白い。
科学者の発見がドラマチックだというのは、たとえば、キュリー夫人の伝記のような刷り込みはあるが、部分的に当事者であり存命である日本人が、こういった語り口で生物科学の一断面を生き生きと語ってくれることは読者にとって幸福なことではないだろうか。
今から生物科学を志そうとは思わないが、DNAとかタンパク質を扱う中にもこういうどきどき感があるのだなあ、と感心した。
生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891) 福岡 伸一 講談社 2007-05-18 売り上げランキング : 67 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
0 件のコメント:
コメントを投稿