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2012/03/25

三木笙子 「人魚は空に還る」

海老名三省堂で、たまたま「疲れている時にオススメです。」というポップが目について、ややジャケ買いに近い形で購入。 しばらく鞄に入れたままだったのを週末に読了。
謎解きの意外さよりも読後感の優しさがなかなか良い短編集。 作者のblogを見ると、
読んだ後にほっとできる、優しくて暖かい雰囲気の小説を書くことが目標です。
とあった。 謎解きのために、あちこちに行って調べたりトラブったりという探偵ものとは違って、対象に対する共感が謎を解く高広の中にあるために、謎を解くことが目的ではない主人公が謎を解いてしまう。彼は謎を解くことで誰かを救おうとする。「犯人を挙げる」目的ではないから、探偵vs犯人という構図のないストーリーの終わり方も優しい。 タイトルになっている「人魚は空に還る」に出てくる小川という作家は、小川未明だったのか、と最後に気が付いた。

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