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2008/08/26

石田修大「急ぎの仕事は忙しいヤツに頼め」 ソニー元副社長・大曾根幸三の成功金言53

いわゆる「大曾根語録」から抜き出して書いたもの。最近の「ビジネス書」は手法を提案しているものが多いのに対して、本書は実際にある状況の中でしゃべった言葉なので、一見すると八方破れな感じがする。

たとえば、「小心者ほど言い訳がうまい」のところで、典型的な言い訳を集めた言い訳集を作り、番号を振った上で、会議では「時間の無駄だ。番号で言え」と言ったそうだ。

「1メートル20センチより高いものは職場に置くな」なんていうのは、最近のオフィスの流行りとはちょっと異なっているのかも?というようなところもある。これは、大曾根氏が職場の様子を見るために席を離れることが多いのでどこにいてもすぐにわかるようにしたため、だったのだが、ロッカーなども壁に寄せて見通せるようにし、会議室をガラス張りにした、とか。

一方でビジネス現場で当然の話として赤字事業の査定の高いものを全員仕事から外すなどの人事の話も語られている。今、こういった赤字の責任を取らせることをちゃんと語っている「ビジネス書」は最近は流行らない。

外部の視点ではなく当事者感覚が短いフレーズに凝縮されているが、昔話というわけではない。iPodがインタビューに登場する(「新しい技術は次の新技術によって置き換わる」)など単なる昔話になっていないところが読んでいて面白い。

そういった「金言」が53個、大曾根氏へのインタビューによる説明とともに構成されている。

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