副題は「ウェブとのつきあい方を学ぶ36の質問」
このレベルの基礎的な知識を学校で数時間かけて子どもに身につけさせるべきだと思う。が、実際に今の学校はそれ以外にもやるべきことが満載なので、当分そこまでは手が回らない。
この本を読ませて実地訓練を家庭でするようなことが必要かもしれない。
内容は、現在の学校が子どものインターネット使用に対して制約をつけようという方向であるのとはかなり異なる。たとえば、
ネットって困り者ばかりみたい。使わないほうがいいのかな?に対して、
そんなことはまったくない。インターネットを有意義に使うためにも、「出会い方」をコントロールするんだ。と、あくまでもポジティブ。
嫌なつながり方をしないように注意し、かといってあまりにいろいろなものとつながりすぎてヘトヘトになることにも気をつけながら、インターネットを使いこなしてほしい。最初にも言ったように、インターネットはうまく使えば、君の大きな助けになってくれるからね。子ども向けなので、こういった元気付けのメッセージとあわせて、ネットショッピング、フィッシング、チェーンメール、架空請求詐欺、などの避け方な ども分かりやすく書かれている。ところどころに、大人や専門家に相談するように書かれている記述があるのだが、それに対して親が対応できる準備があるのか とその点も心もとない。親も同じように学習していかなければならない、ということだろう。
こう言った教材として使える本が何種類が出てくればそれらを選択して子どもに与えることが親としても可能になるが、今のところ、なかなか、子どもが通読できるものが少ないのが現状だろう。
最後まで読むと保護者へのメッセージのページがある。
たしかに「使わせない」というのもひとつの選択です。保護者の重要な役割のひとつは、子どもに余計な情報や危険性が入ってこないようにすることですから。でもそれは同時に、それらの情報や危険性と、どう向き合っていくかを教えることも求められているということです。この120ページ余りの小冊子のような本に対して、あれも足りない、これも足りない、ということは簡単だろう。しかし、それでも、この本を最初のステップとして子どもたちをインターネットに送り出すための導入教材を整備していくことは大切だろう。
「危険な面」ばかりを強調してケータイやパソコンをとりあげることは簡単ですが、それは根本的な解決にはならないし、いつまでたっても子どもが、未来が、育ちません。
現在、MIAUでも教科書プロジェクトが走っていると聞く。そういった試みがいくつも立ち上がってくれることは非常に頼もしい気がする。
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