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2010/11/25

荻上チキ 「社会的な身体」振る舞い・運動・お笑い・ゲーム

フジテレビの日曜日午前6時ごろに放送している「週刊TV批評」という番組がある。主にその週のTVの報道について有識者を招待して短い時間でコメントする、というもの。
放送時間が早いので毎回見てはいない。2010年後半には、TV(マスコミ)とインターネットの関係、という切り口で何回か放送があった。

寝ぼけながら見ているのであまり正確ではないが、TVとインターネットは対立的ではなく補完的だ、というのがフジテレビ的には「落としどころ」になっているように思う。この本の著者である荻上チキが出演した回も一度見た。持ち時間がかなり短く、言い足りない感じ・聞き足りない感じが残った。

この本の最初の章にある「有害メディア」論と「社会的身体」の説明を読んで自分の中の考えが整理できた。4章の中で、「マスコミ」とインターネットの関連についても説明を試みている。

特に、面白かったのは、インターネットが出てきて新聞やTVの重要度が下がったわけではなく、むしろ、マスコミの強化に加担したりもするし、掲示板ユーザーは、実は、情報源として新聞などに依存している、という点だ。

簡単に言えば、テレビや新聞で取り上げられたニュースが、ブログや掲示板などでの議論を呼び起こすのであって、逆のケースはきわめて少ないということだ(あるいは、「ネットで話題の」という口実付けか、イレギュラーな「仰天ニュース」として取り扱われる場合がほとんどである)。
PTAに関わっていた2年間で感じたインターネットやケータイについてのアプローチの揺れは、ケータイを新しい「社会的身体」として獲得してはいるのだが、その「身体」の位置づけについての社会的なコンセンサスがないので、ふらふらしている、ということなのだろう。

元になったso-net上での連載から大幅にアップデートされているので、最近の話題も取りこまれていて実例が新鮮なのも良い。 インターネットやメディアについて書かれた本はすぐに古臭くなってしまうからなあ。

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