マーケットデザインの安田 洋祐のナッシュ均衡とナッシュ遂行の説明がわかりやすかった。ナッシュ均衡という名前だけは知っていても、それがどういうものなのかはこの本で初めて知った。さらに、マスキンの理論だけで、マーケットデザインが、ダメなものかどうかが判断できるというのがすごい。この理論の上に、実際のマーケットの厚みとかルールのシンプルさとかが加わって良い仕組みになる、らしい。
「偏差値40からいい会社に入る方法」の田中秀臣上武大学教授は、「大野さんにはぜひ『現代思想』での川口さんとの対談でみせた「あいまいな意思決定主体」とでもいうべき論点を深めていただけないかな、と希望してます。」とblogに書かれていた。
自分も大野更紗の章は、素人に対して障害を持っている人が社会に対して参加しづらい・排除されがちな状況を伝えることの向こう側の話も読みたかったかな、と感じた。
最初の章が理論を実際に適用する良い例で、続く3つの章は、理論よりも実践を中心に据えている内容で少し色合いが変わる。最後のAMP Musicはさらに実際の問題をいかに解決していくか、という話になっていて、これはこれで面白かった。特に、収入が安定してきて初めて若者が「将来」を考えられるようになる、というのは、今の日本の若い世代にも通じる問題なんじゃないか。
0 件のコメント:
コメントを投稿