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2014/02/21

山田 悟 「糖質制限食のススメ 」

糖尿病の食事療法として、糖質制限食が選択肢の一つとして適切であることをポイントごとに医学研究資料を検討する。また、否定的な研究についても検討している点がよい。

まず、最初に糖質をどの程度に制限するのか、という点で定義を明確にする。
バーンスタイン医師の最大130g/日をより具体的に、一食あたり20gから40gの間と定義する。
これはバーンスタインの130g/日だけでは、一食で130gを摂取し、ほかの2食で0gのような極端なケースも含まれることに対する制約という意味でもある。

健康に悪影響がないのか(この点が非常に気になる)、生活の快適性が損なわれないのか、
これまで糖質制限食の健康への悪影響を調査した論文をとりあげ、上記の定義に収まらないものや摂取する栄養が偏っていた研究などを排除すると、注意点は二つになるようだ。

動脈硬化などを引き起こす可能性。この点についてはそれを否定する研究があること、および、植物性食品を摂取すれば問題ない。

ケトアシドーシス。これについてはアトキンスダイエットのような厳格な糖質制限で起こること、事例が少ないことを紹介した上で、体内のケトンの安全な量についてはわからないこともあるとしている。

上記の定義に沿った具体的な食事は、ご飯半膳や食パン半枚とおかず、あるいは、芋などに注意して主食なしでおかずたっぷり。醸造酒を避ければ飲酒も制限なしでいい。

有名な江部医師の提案についても言及しているなど、目配りが広く、論文検証が多い点が安心感のある内容だ。



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