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2014/09/15

水木悦子、赤塚りえ子、手塚るみ子 「ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘」

三人がそれぞれにプロダクションの社長だったり、フリーな立場で作品のコラボレーションを企画制作している。 企業の二代目が先代をついで社長になる、や、スポーツ選手のこどもが親と似たような競技生活に入る、というのとは違う「まんが家の娘が親の作品に仕事としてかかわる」とは本人にとってどういうことなのか、というところが面白い。 手塚るみ子  手塚プロとは独立な立場でコラボレーション作品制作など。 水木悦子  いわば自然な流れで水木プロへ。 赤塚りえ子  急遽、帰国して社長に。 それぞれの家庭は親であり作家でもある父親の仕事環境の影響を大きく受けている。多くの子どもが経験する親からの独立という課題に、偉大なまんが家である親との距離のとり方というややこしい問題がプラスされていて、本人は苦労があったのだろうなあ。手塚真が父親を「手塚治虫」としてみていた、らしい。
手塚 どこの家庭でも同じようなことはあると思うんですよね。父親が先に死んだとき、子供は父親が残したものを持って自分の道を歩いていかなくちゃいけない。あの毛皮は父の遺した遺産なんですよ。
この「毛皮」とは「ジャングル大帝」に出てくるエピソード。 「ジャングル大帝」に限らずアニメのイメージが強く、どの作品も完全版をまんがで読み通したことはない。 本の中で、三人が親の作品を読んでほしいと強く思っているのは、そういうことなんだろう。 この本は自分にとっては、それぞれのまんが家の作品に興味を持つ導線としても読める。三人がそれぞれ選んだ短編も所収。どれも読んだことがなく、「こんな作品も書いていたのか」という驚きがあった。

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