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2012/06/23

アルトゥール・ショーペンハウアー 「幸福について――人生論 」

asahi.comの書評ページ で、本谷有希子がすすめたと書いてあったので、ちょっと読んでみようと本屋に行くと、そのTVで紹介されたことで売れているらしく、面出しの陳列になっていた。

新潮社の文庫版は、訳者もすでに故人となっているそうで、訳出はかなり古い。それもあって言葉づかいもなんとなく古風。 通勤途中に読み続けて1か月以上かかった。 本谷有希子は
付箋(ふせん)をたくさん貼った私物の本を手に「幸福にならなきゃと思っている人は、ずいぶん肩の荷が下りると思います」などと語った。
と記事にはあった。
ユーモアも交えて書かれているとこの記事にもあり、訳者あとがきでも同じようなことが書かれている。自分には、そこまで味わう余裕がなく、「これってこういう意味だよね?」と考えながら少しずつ読み進むのがやっと。

中でも騎士的名誉にはかなり恨みがあるようで、これにかなりのページが費やされている。この部分は一応通読はしたものの、何のことかよくわからない箇所が多かった。

レベルの低い人間は、退屈を埋めるために社交に走り、賭け事をしたりする、と言い切り、その低いレベルにあわせなければならないのだから社交は苦痛でしかないのだ、と、(おそらく当時の社交界を想定した)社交を否定。 年を取る程孤独は苦にならなくなる、というショーペンハウアー自身も一人で静かに思索にふける、執筆や読書を楽しんでいたのだろうか。

後半は箴言集にもなっている。
瞞されて失った金銭ほど、有利に使った金銭はない。その金銭で取りも直さず知恵を購ったことになるからである。
こんな箴言が数十個。

何度か読み返さないと本当に言いたいことは読み取れないんじゃないか。しばらくしたらもう一度読もう。
TVを見て買った人たちは、さらっと読み通せたのかな。と、他人が気になるあたりがまだまだ、だな。


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