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2012/02/13

東谷 穎人 「はじめてのスペイン語」

外国語を大人が学習する場合、文例をやみくもに覚える学習法は時間がかかりすぎる。

最初に「簡単な入門書」で全体像を頭に入れてから個別の文法事項や表現を獲得するのがいい、というか、時間が節約できる。

ところが、「入門」というタイトルでも自分のレベルに合うものがなかなかないし、初心者が自分にピッタリな本を探し当てるのはかなり困難だ。

この本は、そういう意味では自分に合っている。

やさしすぎて飛ばしたくなるページがほとんどない。普通の本だとかなり後ろに出てくる接続法の説明がわかりやすい。しかも、その説明が出てくるのがかなり早め。
後の方では曜日だったり感嘆文だったり、という、日常で子供が獲得しているような表現が取り上げられる。

なるほど、と思う説明は随所にある。その中で自分が「わかった」と思ったのが再帰動詞の説明。
再帰動詞があらわすニュアンスとしては、

相互用法「お互いに...する」
受身表現「...される」
動詞にある種のニュアンスを与える用法

とある。この最後の用法の説明で、関西弁を交えた次のような説明が関西人の自分にとっては非常に明解。


これも関西弁で「飲んでもた」と訳すと、これこそスペイン語の絶妙のニュアンスが、これまた関西弁の絶妙のニュアンスで余すところなく表現されているような気がします。


本書全体に、すごくエライ先生が楽しそうに学生に話してくれる入門講座の雰囲気があってとても読みやすい。この本だけではスペイン語の達人にはなれないけれども、達人になったら楽しそうだなあ、という動機づけとしてはちょうどいい内容だ。

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