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2012/04/15

[ダイヤモンド・オンライン] 山崎元 「鉄板!生活」のマネー・プランニング

山崎元のマルチスコープ

鉄板!生活」のマネー・プランニング
http://diamond.jp/articles/-/17061

老後資金の不安が広がっている現状に対して、投資商品を買えば何とかなるという考えを数値で考え直すと:
世帯貯蓄額の中央値は500万円付近だが、たとえば、機関投資家の運用計画で株式の期待リターンは、せいぜい金利プラス5%というところだ。現在、6%と見て、年間30万円だ
要するに、将来の生活不安の問題は、資産運用では解決できないのだ。

投資商品を買ってもこの程度にしかならない、ということだ。
ではどうするかというと、「現役のときに引退後の年金分を徴収する」 というのを自分でやればよい、という。具体的には:
新入社員時代の年収は小さい場合が多いので、25歳から本格的な稼ぎの時代に入るとして、65歳の手前まで40年間働き、稼ぐとしよう。稼ぎの第一線を退いて85歳まで生きるとすると20年ある。
仮に「働いていた時期の平均的な経済生活レベルを老後も維持すること」を条件として考えると、手取り収入の3分の1を貯蓄運用に回して、手取り収入の3分の2の生活費で暮らすなら、老後に生活レベルを落とす必要はない

この考え方では、年金を頼りにしないプランであるから、年金が少なくなってもそれほど困らない。
手取り収入の25%を着実に貯蓄・運用し、残りのお金で生活するなら、基本的に老後の生活の心配はないということだ。
この方法論の余禄として:
なお、ここで述べたような貯蓄習慣を持つと、おそらく医療保険も含めて、生命保険が必要なくなる。
この貯蓄運用を行うためのキーポイントはというと:
仮に、手取り収入の3割を貯蓄に回して、残りの7割で暮らすことを「鉄板!生活」と名付けるなら、その鍵は、生活レベルのコントロールにある。
どのようにコントロールすればよいのか。手取りの7割で生活するための手段をさぐるには、自分の7割の手取りの人の生活をベンチマーキングすればよい、というのが著者のアドバイス。
日本の家計の場合、固定的支出の中では、やはり住居費の影響が大きい。生命保険はほぼ全面的に節約できるとして、自動車をどうしているか、どのような娯楽に費用と時間をかけているか、子どもの教育をどうしているか、などをよく観察しよう。
ただし、お金を稼ぐことをあきらめろ、ということではない。
また、収入の7掛けで暮らせと言っても、貧しい方が清廉であるとして「清貧」をお勧めするつもりは毛頭ない。
自分の生活を振り返ると、3割を貯蓄運用に回すというのは現状は厳しいなと思う。特に、中途半端な貯蓄から住宅の購入などをしてしまうと、そこから3割貯蓄というのは難しくなる。一時的に3割貯蓄運用してもそれを住宅購入に吐き出して、その後は貯蓄できない、というのもありそうだ。

年金が頼りにならないことはすでに明らかなので、今の若い世代はこのコラムの内容を実行してみたらいいのではないか。

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