囲碁の入門書の中では、一番わかりやすかった。
「近くにきたらごあいさつ」「ナナメにご用心」「入れてください。入れません。」というコンセプトがちょっと子供向けっぽい響きがあるのだが、最後までこの3つは繰り返し実戦譜の解説や変化の説明に繰り返される。この基本を崩さずに説明されるので納得感がある。
入門者用の本を何冊か読んだ後、「白地の大きなスペースにいきなり打ち込んだらなんとかなるんじゃないの?ここをほっといていいのかな?」と入門書レベルだと疑問に思う
。プロから見るとばかばかしいその手の疑問は普通は説明されない。
この本だと、「ここに打ったらどうなるでしょうか?」と実際にある程度打って見せて「ほら、何も起こらないでしょ?」と種明かしがある。これを見て、打っても意味ないんだな、とわかった。これは、中学校ぐらいからずっと疑問に思っていたことだったのだ。
同じく、中学校のときに勝ってるつもりで負けた一局があり、それがなぜ負けたのかわかっていなかったのもこの本を読んでわかった。「ナナメにご用心」が欠けていて、危険なナナメを切られていたのだ。
いろいろと「そういうことだったのか」が多い本だ。
大学生を対象にしているので、子供向け入門書の最初のもたもた感がなく、入門レベルのオヤジには最適。
大学の授業で囲碁なんてなかなか面白いと思う。
会社でもヨーロッパ仕込みのコミュニケーションゲームなんかよりも囲碁をやったらいいのでは。