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2012/07/21

飯島 裕一 佐古 泰司 「認知症の正体」

信濃毎日新聞の長寿社会についての取材のうち、認知症の医学的情報に焦点をあてた書籍。
新聞記事なので平均的な読者にわかるように要点をまとめて記述しており、わかりやすい。
田平武教授の本を以前に読んだときよりも、少しずつ研究は進んではいるようだ。しかし、まだ、特効薬が出来ているわけではない。むしろ、症状の悪化を遅らせつつ、介護負担や本人の生活を悪化させないために何をすればいいのか、という点が重要で、症状と対応ポイントがわかりやすく記載されている。

認知症患者が増えることで社会がこれをいかに受け入れるのかということは課題になる。地方によっていろいろな組織が地域での受け止め方を工夫している例が出てくる。

地域の見守りというのは良い案ではあるが、「地域」というのが実際にはさまざまに違っているので、常に地域が受け皿になることが可能とはいえない。

また、専門医師が不足していることから、かかりつけ医が認知症に対する理解を深めるという方法は、開業医があるていど多く存在するということが前提なので、開業医が少なくなれば無理がでてくる。

高脂血症や高血圧などに気を付け、魚を少々大目に食べ、体を動かすなどで、少しリスクを減らして医療面での進展を待つ、というのが今自分にできることかな、と。

すでに発症した人は、予防という面では手遅れなので、できるだけ日常生活の質を保ちつつ、使える制度は使って介護負担を軽減することが必要。

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