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2009/01/21

藤原 和博 「自分[プレゼン」術」

藤原和博氏は、保護者世代を中心に東京都杉並区立和田中学校の校長として有名だが、この本はリクルートのフェローである藤原氏が書いたものとして読んだ方がいいかもしれない。取り上げられる題材には、この後に校長という職務を引き受ける藤原氏の個人史のようなものがちらちら見えるところもある。

まえがきにある「キャラクターの全体像をどうやって他人に分かってもらい、思いや企画を通りやすくするか」というのが本書のテーマ。単に「人脈」という切り口ではなく、本を書いた著者として本屋まわりをする、とか、リクルートで「じゃマール」を立ち上げたときのプレゼン、などと言った泥臭い実例が多くあるのがいい。

著者は何よりも第一印象を重視していて、名刺や訪問のやり方から接待の仕方など会社員生活で出会いそうな項目に対して著者が今まで蓄積したノウハウを披露する。

プレゼンの例では、成功物語ではなく自分がそこから何かを得た「語り得る失敗」を入れることでエネルギーが流れ込む、とか、口コミになるようなキーワード(エピソード)を入れれば何度も繰り返す必要はない、「初めよければすべてよし」だから起承転結では失敗する、あえて手書きの雰囲気を持った資料づくりなど、独特なコツも書かれている。

あとがきの後に、著者のテーマ別(住宅、仕事、教育、介護)書評が読める。この書評がかなり面白い。

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