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2011/09/10

グラッドウェル 「急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則」


アメリカとイギリスの戦争の話から始まって自殺の流行まであるトピックの中では、背景の力の関連で出てくる「150の法則」が面白かった。


ゴアテックスで有名なゴアがここでも取り上げられている。「経営の未来」でもゴアの独自の会社組織が取り上げられていた。この本での話題は経営的な観点ではなく、あるグループ(部とか会社)のまとまりが維持できる単位についての「150の法則」である。

ゴアは大きな組織を作らず150人を超えるところまで成長するとどんどん分割していくらしい。

その150の中に営業から設計・開発までが含まれる。これって「垂直統合」的なのだが、一つの塊として考えると効率がいいし、情報の流れがスムーズになる。横の連携がどうなのかな、という問題点はあるのかもしれないが、分割された事業は距離的に近いところに点在していて相互にゆるい連携はあるようだ。

会社という観点で考えると、日本の会社でよく聞く話として、営業と設計、QAと設計、設計と企画、など「こういう話しは誰に聞いたらいいの?」と別部署のノウハウがわからず探すことが多い。頭数は増えているのに商品のことをよくわかっている人が逆に減ってしまい、ショーの出展で説明員は結局設計者がやっていたり、だとか。
どこの会社でもありそうな問題が150人ぐらいだと少ない気がする。

「ここで働いていないと、わかりにくいかもしれない。人の長所を理解すれば得になるということなんですよ。要は、どこに行けば一番いい助言が得られるか、それを知ることなんです。人を知っていれば、それができるんですよ。」

というゴアのバート・チェイスの言葉は多くの企業の社員がうらやむのではないだろうか。