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2011/07/17

[らでぃっしゅぼーや] 産地限定ぱれっと

自宅で契約している有機野菜の宅配サービス「らでぃっしゅぼーや」は、自前で放射線量検査をしている。ここで茶葉に規制値を超えた放射線が検出されたことが以前にもあった。このとき静岡県は公表を遅らせるように同社に要求したわけだが。

少し前に、らでぃっしゅぼーやで産地限定ぱれっとがあったら使いますか?というアンケートが行われた。その結果を受けて同社は、原発からの降下物が懸念される地域のものを除いた産地限定のぱれっとのサービスを新設することになったとメールでお知らせがあった。同時に、東日本の葉物野菜に限定して注文を行うこともできるようにもなっている。

メールには以下のように反響が要約されていた。

「産地限定ぱれっと」は、特に小さなお子さまをお持ちのお母さまに強いご要望があった一方で、「風評被害を助長する」「産地で区別するのは生産者に失礼。それより、検査を徹底してほしい」
「産地限定ぱれっとがあると、通常のぱれっとの安全性に 不安を感じる」というご意見もいただきました。
先日読んだ「原発のウソ」によれば、低線量が健康に影響しないということの科学的な根拠は広く認められてはおらず、否定する論文も発表されているとのことなので、放射線の影響を強く受ける子供には食べさせたくないと考えるのは当然だ。
子供の食品に気を配るのは無用なリスクを回避するという点で正しい判断なのではないだろうか。
今週のらでぃっしゅぼーやの注文カタログ「元気くん」を見ると、葉物は、東日本産(福島県を除く東北、関東、北海道)と西日本産(福島県を含む東北以外)のどちらかを指定できる。
50歳以上になると放射線の感受性が下がるらしい。
放射線の影響を受けにくくなる50歳以上(金融資産を持っている団塊の世代を含む)の人たちが東日本産を注文して、子供たちには食べさせないのがいいのではないか。

セシウムは半減期30年、1000分の1になるには300年かかる。筋肉や生殖器に吸収されやすく遺伝子障害やがんの原因になるらしい。そうしたものを避けたい人が選べるぱれっとがあるのは良いことだ。ネット上では批判的な人もいるのだが、安全だとの証明ができない現状では、個人で選択するしかないだろう。

2011年7月、喜多方(原発からは100km以上)の農家で育てた牛がセシウムを含んだ藁を食べたため肉が規制値を超えたとのニュースがあった。このような生物濃縮が起こったことを考えると子供の内部被ばくのリスクはできるだけ避けることが日本全体にとってもメリットがあると思う。

会員になって15年ぐらいになるが、産地を限定したぱれっとは初めてだと思う。生産者との距離が近いらでぃっしゅぼーやからすると、このぱれっとを作るのもかなりの決断だったのではないかと思う。

震災後、らでぃっしゅぼーやのミネラルウォーターを数十本単位で注文する人もいるらしく、水については注文が殺到している、と注意書きがつくようになった。このサービスを契約する人は食品の安全性には少しコストをかけてもよいという人がほとんどだろうから、すべてを安全な方向にしておきたい、という要求は強いということの現れか。

今後は日本近海での魚の放射線量も気にする人が出てくるのではないだろうか。らでぃっしゅぼーやでは近海漁業の魚を扱っているから、そちらでも何か選択できるオプションが出てくるのかもしれない。

追記:(2011.09.21)
らでぃっしゅぼーやの農産物のセシウム自主規制が更新された。
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