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2010/12/08

山崎元 「新しい株式投資論  合理的へそ曲がり」のすすめ」

株式投資に必要なものは運とセンスであり、運は自分ではどうしようもないが、センスは努力すれば身につけられる。このセンスとは「合理的なへそ曲がり」の精神だ、というのが本書のコアメッセージ。

運によるものとゲームとしての勝ち負けに分けて考え、ゲームに有利になるには、どのように考えればいいか、を整理している。

第2章の「株式投資の本当の常識」の目次を見るだけでも刺激を受ける人はいるのではないか。

  • 目標株価の設定は必要ない
  • 「分散投資は効率がわるい」のか
  • テクニカル分析は無益である
  • 経営者評価なんて無理!
  • インフレと株式投資の関係

など。「損切り」などのルールは有害であり、条件が変わらずに株価が下がっているのであれば有利(割安)になっている。このような、一般によく使われ、それについての本も出ている「常識」について間違っているかどうか、なぜ広まっているのかなどを説明する。

「財産形成」であれば適当なインデックスファンドなどを持っていればいい。ここから「できるならうまくやりたい」「平均より良い成績を出したい」と考えるのが「ゲーム」の世界になる。ゲームを有利に運ぶためのツールとして、これまでの理論が使えるか、という検討を加えたのが3章。さらに、行動ファイナンスの最近の成果にも検討を加えている。

有名な「美人投票」の話に例えると、美人を選ぶのではなく、長所があるが評価されていないと思われる半美人に投票するような感覚が「ゲーム」としては正しい方向性のようだ。


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